• ホーム
  • サバイビンは酸化的リン酸化、細胞内ミトコンドリア再配置、および腫瘍細胞の浸潤を促進する

サバイビンは酸化的リン酸化、細胞内ミトコンドリア再配置、および腫瘍細胞の浸潤を促進する

Survivin promotes oxidative phosphorylation, subcellular mitochondrial repositioning, and tumor cell invasion

Research Article

Sci. Signal. 11 Aug 2015:
Vol. 8, Issue 389, pp. ra80
DOI: 10.1126/scisignal.aab1624

Dayana B. Rivadeneira,1,2 M. Cecilia Caino,1,2 Jae Ho Seo,1,2 Alessia Angelin,3 Douglas C. Wallace,3 Lucia R. Languino,4 Dario C. Altieri1,2*

1 Prostate Cancer Discovery and Development Program, The Wistar Institute, Philadelphia, PA 19104, USA.
2 Tumor Microenvironment and Metastasis Program, The Wistar Institute, Philadelphia, PA 19104, USA.
3 Center for Mitochondrial and Epigenomic Medicine, The Children's Hospital of Philadelphia, Philadelphia, PA 19104, USA.
4 Department of Cancer Biology, Sidney Kimmel Cancer Center, Thomas Jefferson University, Philadelphia, PA 19107, USA.

* Corresponding author. E-mail: daltieri@wistar.org

要約 サバイビン(survivin)は、多くのヒトのがんで、細胞分裂を促進しアポトーシスを抑制する。その存在量の増加は転移および予後不良と相関している。われわれは、特定の腫瘍細胞株でミトコンドリアに局在したサバイビンプールが、細胞呼吸を促進する酸化的リン酸化複合体IIの安定性を増大させることを示した。サバイビンはまた、腫瘍細胞の表層の骨格へのミトコンドリアの細胞内トラフィッキングを助け、これは、培養細胞において、膜ラッフリングの増加、接着斑複合体のターンオーバーの増大、ならびに腫瘍細胞の遊走および浸潤の増加と相関し、in vivoで転移性播種を促進した。したがって、われわれは、サバイビンが亢進するミトコンドリア呼吸ががん代謝に寄与し、再配置されたミトコンドリアが腫瘍細胞の浸潤および転移を刺激する"局所的な"エネルギー源を提供するかもしれないことを見出した。

Citation: D. B. Rivadeneira, M. C. Caino, J. H. Seo, A. Angelin, D. C. Wallace, L. R. Languino, D. C. Altieri, Survivin promotes oxidative phosphorylation, subcellular mitochondrial repositioning, and tumor cell invasion. Sci. Signal. 8, ra80 (2015).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2015年8月11日号

Editor's Choice

薬理学
スタチンをアルツハイマー病に振り向ける

Research Article

HDL結合スフィンゴシン1-リン酸は内皮細胞受容体S1P1に対するバイアスアゴニストとして働き血管の炎症を抑制する

サバイビンは酸化的リン酸化、細胞内ミトコンドリア再配置、および腫瘍細胞の浸潤を促進する

Research Resources

水生菌類Blastocladiella emersoniiのロドプシン–グアニリルシクラーゼはcGMPシグナル伝達の高速光学制御を可能にする

最新のResearch Article記事

2024年2月27日号

ALOX5はCD4+ T細胞のパイロトーシスと関節リウマチにおける組織炎症を駆動する

2024年2月20日号

デザイナー高密度リポタンパク質粒子が内皮バリア機能を強化し炎症を抑制する

T細胞におけるgp130シグナル伝達の活性化がTH17介在性の多臓器自己免疫を引き起こす

2024年2月13日号

GPCRキナーゼはその細胞内局在に応じて偏向性のCXCR3下流シグナル伝達を差次的に調節する

リラキシン-3受容体のGαi/oバイアスステープルペプチドアゴニストによるバイアスアゴニズムの機構