• ホーム
  • adhesion型GPCR BAI1はマクロファージのROS産生およびグラム陰性菌に対する殺菌活性を媒介する

adhesion型GPCR BAI1はマクロファージのROS産生およびグラム陰性菌に対する殺菌活性を媒介する

The adhesion GPCR BAI1 mediates macrophage ROS production and microbicidal activity against Gram-negative bacteria

Research Article

Sci. Signal. 02 Feb 2016:
Vol. 9, Issue 413, pp. ra14
DOI: 10.1126/scisignal.aac6250

Emily A. Billings1, Chang Sup Lee1, Katherine A. Owen2, Ryan S. D'Souza2, Kodi S. Ravichandran1, and James E. Casanova1,2,*

1 Department of Microbiology, Immunology, and Cancer Biology, University of Virginia, Charlottesville, VA 22908, USA.
2 Department of Cell Biology, University of Virginia, Charlottesville, VA 22908, USA.

* Corresponding author. E-mail: jec9e@virginia.edu

要約 微生物の検出および自然免疫応答の開始は、炎症性サイトカインの産生および細胞性殺菌機構の活性化に重要なパターン認識受容体(PRR)を介して起こる。特に、NADPHオキシダーゼ複合体による活性酸素種(ROS)の産生は、マクロファージの殺菌機構の重要な構成要素である。われわれはこれまでに、マクロファージによるグラム陰性細菌の選択的な食作用取り込みを媒介するPRRとして、Gタンパク質(ヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質)共役型受容体(GPCR)のadhesionファミリーメンバーである、脳特異的血管新生阻害剤1(BAI1)を明らかにした。われわれは、BAI1が、NADPHオキシダーゼ活性を刺激するRhoファミリーグアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)Rac1の活性化を介してファゴソームのROS産生を促進することを示した。初代BAI1欠損マクロファージでは、RACのGTPアーゼ活性が弱まり、いくつかのグラム陰性菌に応答したROS産生が減少し、結果として殺菌活性が損なわれていた。さらに、腹膜感染モデルでは、BAI1欠損マウスは、細菌クリアランスの欠損により、細菌暴露による死に対する感受性が増加していた。まとめると、これらの知見は、BAI1が、食作用およびNADPHオキシダーゼの活性化の両方を刺激することにより、グラム陰性菌のクリアランスを媒介し、それにより細菌検出を細胞性殺菌機構に共役させることを示唆している。

Citation: E. A. Billings, C. S. Lee, K. A. Owen, R. S. D'Souza, K. S. Ravichandran, J. E. Casanova, The adhesion GPCR BAI1 mediates macrophage ROS production and microbicidal activity against Gram-negative bacteria. Sci. Signal. 9, ra14 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2016年2月2日号

Editor's Choice

毒性のTRPA1活性がミエリンを分解する

Research Article

ABLキナーゼはTAZおよびSTAT5シグナル伝達を介して腫瘍と骨の相互作用を調節することによって乳がんの骨溶解性転移を促進する

MEK/ERKモジュールを介する状況特異的なフローがERK単一および二重リン酸化の細胞およびリガンド特異的なパターンを生み出す

adhesion型GPCR BAI1はマクロファージのROS産生およびグラム陰性菌に対する殺菌活性を媒介する

最新のResearch Article記事

2024年2月27日号

ALOX5はCD4+ T細胞のパイロトーシスと関節リウマチにおける組織炎症を駆動する

2024年2月20日号

デザイナー高密度リポタンパク質粒子が内皮バリア機能を強化し炎症を抑制する

T細胞におけるgp130シグナル伝達の活性化がTH17介在性の多臓器自己免疫を引き起こす

2024年2月13日号

GPCRキナーゼはその細胞内局在に応じて偏向性のCXCR3下流シグナル伝達を差次的に調節する

リラキシン-3受容体のGαi/oバイアスステープルペプチドアゴニストによるバイアスアゴニズムの機構