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動的なDNAメチル化はニューロンの内在的膜興奮性を調節する
Dynamic DNA methylation regulates neuronal intrinsic membrane excitability
Sci. Signal. 23 Aug 2016:
Vol. 9, Issue 442, pp. ra83
DOI: 10.1126/scisignal.aaf5642
Jarrod P. Meadows1,*, Mikael C. Guzman-Karlsson1,*, Scott Phillips1, Jordan A. Brown1, Sarah K. Strange1, J. David Sweatt1,2,†, and John J. Hablitz1,‡
1 Department of Neurobiology and Evelyn F. McKnight Brain Institute, University of Alabama at Birmingham, Birmingham, AL 35294, USA.
2 Civitan International Research Center, University of Alabama at Birmingham, Birmingham, AL 35294, USA.
‡ Corresponding author. Email: jhablitz@uab.edu
* These authors contributed equally to this work.
† Present address: Department of Pharmacology, Vanderbilt University, Nashville, TN 37235, USA.
要約
DNAのシトシンメチル化などのエピジェネティック修飾は、適応型遺伝子発現と神経可塑性を調和させることにより、学習と記憶のメカニズムに寄与する。DNAメチル化により調節される転写依存的可塑性はシナプス可塑性と恒常性シナプスのスケーリングを含む。記憶関連可塑性にはまた、細胞膜中のイオンチャネルの存在量または活性の変化により媒介される、活動電位発生の閾値を規定する内因的膜興奮性の変化が含まれる。われわれは、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)活性の長期阻害が培養皮質錐体ニューロンの内在的膜興奮性を増加させることを見出した。シトシン脱メチル化酵素TET1のノックダウンあるいはRNAポリメラーゼの阻害は、DNMT阻害に起因する膜興奮性の増加を抑え、この効果が、その後のシトシン脱メチル化およびde novo転写により媒介されることを示唆した。長期のDNMT阻害は、後過分極電位の媒介要素、ニューロンの興奮性を増大させる効果を鈍らせ、小コンダクタンスCa2+活性化K+(SK)チャネルをコードする遺伝子の発現低下と関連していた。また、特異的SKチャネル遮断薬アパミンは、ニューロンの興奮性を増加させたが、DNMT阻害後では無効であった。これらの結果は、DNMT阻害がSKチャネルをコードする遺伝子の発現低下およびSKチャネルの活性低下に至らせる転写変化を可能にすることを示唆し、それにより動的DNAシトシンメチル化によるニューロンの内因的膜興奮性の調節機構を提供した。本研究は、ヒトの内在的興奮性調節不全関連神経および精神疾患に影響を与える。
Citation: J. P. Meadows, M. C. Guzman-Karlsson, S. Phillips, J. A. Brown, S. K. Strange, J. D. Sweatt, J. J. Hablitz, Dynamic DNA methylation regulates neuronal intrinsic membrane excitability. Sci. Signal. 9, ra83 (2016).