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圧力によって誘導されるPKGの酸化的活性化がCa2+スパークとBKチャネルによる血管調節を可能にする

Pressure-induced oxidative activation of PKG enables vasoregulation by Ca2+ sparks and BK channels

Research Article

Sci. Signal. 11 Oct 2016:
Vol. 9, Issue 449, pp. ra100
DOI: 10.1126/scisignal.aaf6625

Kaivan Khavandi1,2,*, Rachael L. Baylie1,*, Sarah A. Sugden1, Majid Ahmed1,3, Viktoria Csato1,4, Philip Eaton2, David C. Hill-Eubanks3, Adrian D. Bonev3, Mark T. Nelson1,3, and Adam S. Greenstein1,†

1 Division of Cardiovascular Sciences, Faculty of Biology, Medicine and Health, University of Manchester, Manchester Academic Health Sciences Center, Manchester M13 9NT, U.K.
2 King's College London, Cardiovascular Division, British Heart Foundation Centre of Excellence, Rayne Institute, St Thomas' Hospital, London SE1 7EH, U.K.
3 Department of Pharmacology, University of Vermont, Burlington, VT 05405-0068, USA.
4 Division of Clinical Physiology, Institute of Cardiology, Research Centre for Molecular Medicine, Faculty of Medicine, University of Debrecen, Debrecen 4012, Hungary.

† Corresponding author. Email: adam.greenstein@manchester.ac.uk

* These authors contributed equally to this work.

要約

血管平滑筋細胞(VSMC)において、局所性リアノジン受容体に媒介されるCa2+シグナル(Ca2+スパーク)による大コンダクタンスカルシウム依存性カリウム(BK)チャネルの活性化は、圧力に誘導される(筋原性)血管収縮(微小抵抗動脈の血流を調節する基本的機構)のブレーキとして機能する。本稿では、VSMCにおいて、抵抗動脈内の生理学的腔内圧が、酸化体に誘導されるシステイン残基間の分子間ジスルフィド結合の形成を通じてcGMP依存性プロテインキナーゼ(PKG)を活性化したことを報告する。圧力に応答してCa2+スパーク、BKチャネル活性、血管拡張が引き起こされるためには、酸化体によって活性化されたPKGが必要であった。酸化剤によって活性化できないPKG変異体を発現するマウスの動脈から採取されたVSMCでは、Ca2+スパークの頻度が減少しており、これらのマウスから調製された動脈標本では、圧力に誘導されるBKチャネルの活性化が減少していた。このように、PKGの酸化的活性化の欠如によって、BKチャネルに媒介される血管収縮の負のフィードバック調節は機能しなくなった。これらの結果は、機械感受性の酸化体産生によってPKGを活性化しCa2+スパークを亢進させることで動脈の直径を調節するという、負のフィードバック調節機構の概念を支持している。

Citation: K. Khavandi, R. L. Baylie, S. A. Sugden, M. Ahmed, V. Csato, P. Eaton, D. C. Hill-Eubanks, A. D. Bonev, M. T. Nelson, A. S. Greenstein, Pressure-induced oxidative activation of PKG enables vasoregulation by Ca2+ sparks and BK channels. Sci. Signal. 9, ra100 (2016).

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2016年10月11日号

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