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脂質ラフトでラクトシルセラミドに結合するリポアラビノマンナンはヒト好中球によるマイコバクテリアの貪食に不可欠である

Lipoarabinomannan binding to lactosylceramide in lipid rafts is essential for the phagocytosis of mycobacteria by human neutrophils

Research Article

Sci. Signal. 11 Oct 2016:
Vol. 9, Issue 449, pp. ra101
DOI: 10.1126/scisignal.aaf1585

Hitoshi Nakayama1,2, Hidetake Kurihara3, Yasu S. Morita4,5, Taroh Kinoshita5, Laura Mauri6, Alessandro Prinetti6, Sandro Sonnino6, Noriko Yokoyama2, Hideoki Ogawa2, Kenji Takamori2, and Kazuhisa Iwabuchi1,2,7,*

1 Laboratory of Biochemistry, Juntendo University Faculty of Health Care and Nursing, Urayasu, Chiba 279-0023, Japan.
2 Institute for Environmental and Gender-Specific Medicine, Juntendo University Graduate School of Medicine, Urayasu, Chiba 279-0021, Japan.
3 Department of Anatomy, Juntendo University Faculty of Medicine, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8421, Japan.
4 Department of Microbiology, University of Massachusetts, Amherst, MA 01003-9364, USA.
5 Department of Immunoregulation, Research Institute for Microbial Diseases, World Premier International Research Center Immunology Frontier Research Center, Osaka University, Suita, Osaka 565-0871, Japan.
6 Department of Medical Biotechnology and Translational Medicine, Interdisciplinary Laboratory for Advanced Technologies, University of Milan, Via Fratelli Cervi, Milano 20129, Italy.
7 Infection Control Nursing, Juntendo University Graduate School of Health Care and Nursing, Urayasu, Chiba 279-0023, Japan.

* Corresponding author: Email: iwabuchi@juntendo.ac.jp

要約

病原性マイコバクテリアは好中球などの宿主の食細胞で生き残るために、マンノース-キャップ-リポアラビノマンナン(ManLAM)を含む病原性因子を用いる。われわれは、ヒト好中球によるマイコバクテリアの食作用および貪食されたマイコバクテリアの細胞内運命におけるラクトシルセラミド(LacCer、CDw17)に富む脂質ラフトの役割を評価した。われわれは、C24脂肪酸鎖含有LacCerとSrcファミリーキナーゼ(SFK)であるLynの会合が、好中球によるマイコバクテリアの貪食に不可欠であることを示した。LacCer含有リポソーム、LacCerをコートしたプラスチックプレート、およびLAMをコートしたビーズを用いたアッセイにより、マイコバクテリアの貪食は、LAMへのLacCerの結合により媒介されることが示された。病原性種由来のManLAMおよび非病原性スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)由来のホスホイノシトール-キャップLAM(PILAM)の両方が同等にLacCerと結合し、食作用を刺激した。しかしながら、LAMマンナンコアのα1,2-モノマンノース側鎖を欠く、スメグマ菌α1,2マンノシルトランスフェラーゼ欠失変異株(ΔMSMEG_4247)由来のPILAMは、LacCerに結合せず、食作用を誘発しなかった。抗LacCer抗体は、非病原性マイコバクテリアを内在化した好中球のファゴソームからSFKであるHckを免疫沈降したが、病原性マイコバクテリアを内在化した好中球のファゴソームからはしなかった。また、低分子干渉RNAによるHckのノックダウンは、非病原性マイコバクテリアを含むファゴソームとリソソームの融合を消失させた。さらなる分析により、ManLAMは、ファゴソーム膜のLacCerに富む脂質ラフトとHckの結合を阻害し、効果的にファゴリソソームの形成を阻止するが、PILAMは阻止しないことを示した。合わせると、これらの知見は、病原性マイコバクテリアが、ManLAMを、LacCerに富む脂質ラフトへの結合と好中球への進入だけでなく、Hckと共役したLacCerに富む脂質ラフトを介したシグナル伝達を妨害し、ファゴリソソームの形成を阻止するのに用いることを示唆する。

Citation: H. Nakayama, H. Kurihara, Y. S. Morita, T. Kinoshita, L. Mauri, A. Prinetti, S. Sonnino, N. Yokoyama, H. Ogawa, K. Takamori, K. Iwabuchi, Lipoarabinomannan binding to lactosylceramide in lipid rafts is essential for the phagocytosis of mycobacteria by human neutrophils. Sci. Signal. 9, ra101 (2016).

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2016年10月11日号

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