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DDiT4Lはストレスに応答してオートファジーを促進し病的心肥大を抑制する

DDiT4L promotes autophagy and inhibits pathological cardiac hypertrophy in response to stress

Research Article

Sci. Signal. 28 Feb 2017:
Vol. 10, Issue 468,
DOI: 10.1126/scisignal.aaf5967

Bridget Simonson1,Vinita Subramanya2, Mun Chun Chan1, Aifeng Zhang1,Hannabeth Franchino2, Filomena Ottaviano2, Manoj K. Mishra3, Ashley C. Knight2, Danielle Hunt2, Ionita Ghiran2, Tejvir S. Khurana3, Maria I. Kontaridis2, Anthony Rosenzweig1, and Saumya Das1,2,*

1 Cardiovascular Research Center, Massachusetts General Hospital, Boston, MA 02114, USA.
2 Cardiovascular Research Institute, Beth Israel Deaconess Medical Center, Boston, MA 02115, USA.
3 Department of Physiology, Pennsylvania Muscle Institute, University of Pennsylvania School of Medicine, Philadelphia, PA 19104, USA.

* Corresponding author. Email: sdas@partners.org

要約
運動などの刺激に応答して生じる生理的心肥大は、適応的で有益であると考えられている。一方、抑制されていない高血圧や酸化または代謝ストレスなどの病的な刺激に応答して生じる病的心肥大は、不適応的で、心不全に先行する場合がある。われわれは、DDiT4L(DNA damage–inducible transcript 4-like)をコードする転写物が、病的心肥大のマウスモデルにおいては発現しているが、生理的心肥大のマウスモデルでは発現していないことを見出した。心筋細胞において、DDiT4Lは初期エンドソームに局在し、機構的ラパマイシン標的タンパク質複合体1(mTORC1)が関与する過程を介して、ストレス誘発性のオートファジーを促進した。心筋細胞をさまざまな種類の病理的ストレスに曝露すると、DDiT4Lの存在量が増加し、mTORC1シグナル伝達が阻害された一方、mTORC2シグナル伝達が活性化された。DDiT4Lを心臓特異的に条件的過剰発現させたマウスには、軽度の収縮機能障害、ベースラインのオートファジーの増加、mTORC1活性の低下、mTORC2活性の上昇が認められ、これらはすべて、導入遺伝子発現の抑制によって回復した。これらのマウスでは、オートファジーの遺伝的抑制によっても、心機能障害が回復した。われわれのデータから、DDiT4Lは、心臓においてmTORシグナル伝達を介して病理的ストレスをオートファジーに変換する重要なトランスデューサーである可能性があり、オートファジーとmTORシグナル伝達が重要な役割を果たす心血管疾患において、治療標的となりうることが示された。

Citation: B. Simonson, V. Subramanya, M. C. Chan, A. Zhang, H. Franchino, F. Ottaviano, M. K. Mishra, A. C. Knight, D. Hunt, I. Ghiran, T. S. Khurana, M. I. Kontaridis, A. Rosenzweig, S. Das, DDiT4L promotes autophagy and inhibits pathological cardiac hypertrophy in response to stress. Sci. Signal. 10, eaaf5967 (2017).

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