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BMP8Aは精原細胞においてSMAD1/5/8およびSMAD2/3の両方を活性化することにより精子形成を維持する
BMP8A sustains spermatogenesis by activating both SMAD1/5/8 and SMAD2/3 in spermatogonia
Sci. Signal. 02 May 2017:
Vol. 10, Issue 477, eaal1910
DOI: 10.1126/scisignal.aal1910
Fang-Ju Wu1, Ting-Yu Lin1, Li-Ying Sung2, Wei-Fang Chang2, Po-Chih Wu1, and Ching-Wei Luo1,*
1 Department of Life Sciences and Institute of Genome Sciences, National Yang-Ming University, Taipei 112, Taiwan.
2 Institute of Biotechnology, National Taiwan University, Taipei 106, Taiwan.
* Corresponding author. Email: cwluo@ym.edu.tw
要約
骨形成タンパク質(BMP)8Aまたは8B(Bmp8aまたはBmp8b)をコードするいずれかの遺伝子の突然変異は、マウスの精原細胞の出生後枯渇を引き起こす。われわれは、新生仔マウス精原細胞においては、Bmp8aが主に発現され、Bmp8bは発現されないことを見出した。ほとんどのBMPは、SMAD1、5、8(SMAD1/5/8)の活性化を誘導するが、SMAD2および3(SMAD2/3)は活性化しない。しかし、BMP8Aは両セットの転写因子を介したシグナル伝達を誘導することがわかった。未分化マウス精原細胞において、BMP8Aは、ALK3と、ACVR2AまたはBMPR2のいずれかにより形成された受容体複合体を介してSMAD1/5/8を活性化し、ALK5と、ACVR2A、ACVR2BまたはTGFBR2により形成された受容体複合体を介してSMAD2/3を活性化した。SMAD2/3を介したシグナル伝達は、生殖細胞の増殖を促進し、一方、SMAD1/5/8を介したシグナル伝達は、その後の精原細胞の分化を誘導した。BMP8Aは、培養マウス精巣外植片において精子形成を促進し、得られた精子は生殖能を有していた。これらの結果は、精原細胞の増殖および分化を促進するBMP8Aの二つの役割が、男性不妊を治療するために臨床的に利用され得ることを示唆する。
Citation: F.-J. Wu, T.-Y. Lin, L.-Y. Sung, W.-F. Chang, P.-C. Wu, C.-W. Luo, BMP8A sustains spermatogenesis by activating both SMAD1/5/8 and SMAD2/3 in spermatogonia. Sci. Signal. 10, eaal1910 (2017).