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KRAS変異間葉系様NSCLC細胞におけるmiR-124によるオートファジー、NF-κBシグナル伝達および細胞の生存性の調節

Regulation of autophagy, NF-κB signaling, and cell viability by miR-124 in KRAS mutant mesenchymal-like NSCLC cells

Research Article

Sci. Signal. 12 Sep 2017:
Vol. 10, Issue 496, eaam6291
DOI: 10.1126/scisignal.aam6291

Anita K. Mehta1, Kevin Hua1, William Whipple1, Minh-Thuy Nguyen1, Ching-Ti Liu2, Johannes Haybaeck3,4, Joanne Weidhaas5, Jeff Settleman6, and Anurag Singh1,*

1 Department of Pharmacology and Experimental Therapeutics, Boston University School of Medicine, Boston, MA 02118, USA.
2 Department of Biostatistics, Boston University School of Public Health, Boston, MA 02118, USA.
3 Institute of Pathology, Medical University of Graz, Graz, Austria.
4 Department of Pathology, University Hospital and Medical Faculty, Otto von Guericke University Magdeburg, Magdeburg, Germany.
5 Department of Radiation Oncology, University of California at Los Angeles School of Medicine, Los Angeles, CA 90095, USA.
6 Calico Life Sciences, South San Francisco, CA 94080, USA.

* Corresponding author. Email: asingh3@bu.edu

要約
KRAS変異非小細胞肺がん(NSCLC)は上皮系または間葉系というサブタイプに分類することができる。同一の「ドライバー」変異を有しているものの、間葉系NSCLCは上皮系NSCLCに比べて、RAS経路の阻害に対する反応性が低い。間葉系NSCLCの生存を特異的に促進する代替的ネットワークを同定することで、このサブタイプに対して有効性が高い治療法が得られると考えられる。ノンコーディングマイクロRNA(miRNA)はしばしば、細胞シグナル伝達経路内のその多数の標的を介して腫瘍抑制因子またはがん遺伝子として働く。特に、一部のmiRNAは上皮間葉転換(EMT)を制御している。われわれは、一連の上皮系(KE)または間葉系(KM)のKRAS変異NSCLC細胞株におけるmiRNAの存在量をプロファイリングすることで、EMTに関連するmiRNAシグネチャを生成した。このシグネチャから、miR-200ファミリーのメンバーを含め、EMTを阻害することで腫瘍進展を抑制することができる多数の発現が抑制されたmiRNAを、KM細胞株において明らかにした。これらmiRNAの1つであるmiR-124を用いてKM細胞を再構築したとき、選択的オートファジーのアダプターでもあり、かつ転写因子核因子κBの調節因子(NF-κB)でもあるp62の存在量が減少すると、オートファジーが阻害され、細胞の生存率が低下した。miR-124によるp62の抑制は、オートファジー活性化因子であるベクリン1(BECN1)、ユビキチンリガーゼであるTRAF6およびNF-κBサブユニットRELA/p65の存在量の減少と関連していた。患者から採取したNSCLC検体において、miR-124の存在量は、BECN1およびTRAF6の発現量と逆相関していた。これらの所見から、侵襲性の高いKRAS変異NSCLCの間葉系サブタイプにおいて、miR-124の欠失がどのようにして細胞の生存のネットワークを促進するかが解明された。これにより、患者に対するサブタイプ選択的な治療戦略が改善されるかもしれない。

Citation: A. K. Mehta, K. Hua, W. Whipple, M.-T. Nguyen, C.-T. Liu, J. Haybaeck, J. Weidhaas, J. Settleman, A. Singh, Regulation of autophagy, NF-κB signaling, and cell viability by miR-124 in KRAS mutant mesenchymal-like NSCLC cells. Sci. Signal. 10, eaam6291 (2017).

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