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ユーイング肉腫における発がん性融合タンパク質EWS-FLI1の阻害がG2-M細胞周期停止とビンクリスチン感受性亢進を引き起こす

Inhibition of the oncogenic fusion protein EWS-FLI1 causes G2-M cell cycle arrest and enhanced vincristine sensitivity in Ewing’s sarcoma

Research Article

Sci. Signal. 03 Oct 2017:
Vol. 10, Issue 499, eaam8429
DOI: 10.1126/scisignal.aam8429

Stefan K. Zöllner1,2, Saravana P. Selvanathan1, Garrett T. Graham1, Ryan M. T. Commins1, Sung Hyeok Hong1, Eric Moseley1, Sydney Parks1, Jessica N. Haladyna1, Hayriye V. Erkizan1, Uta Dirksen2, Michael D. Hogarty3, Aykut Üren1, and Jeffrey A. Toretsky1,*

1 Department of Oncology and Pediatrics, Georgetown University, 3970 Reservoir Road Northwest, Washington, DC 20057, USA.
2 Department of Pediatric Hematology and Oncology, University Hospital Münster, Albert-Schweitzer-Campus 1, Gebäude A1, 48149 Münster, Germany.
3 Division of Oncology, Children's Hospital of Philadelphia, Colket Translational Research Building, Room 3020, 3501 Civic Center Boulevard, Philadelphia, PA 19014, USA.

* Corresponding author. Email: jat42@georgetown.edu

要約
ユーイング肉腫(ES)は、青年および若年成人の主に骨または周辺組織内で増殖する、稀で悪性度の高いがんである。染色体転座により生じる、RNA結合タンパク質EWSとETSファミリー転写因子FLI1(EWS-FLI1)のキメラ融合は、転写と選択的スプライシング調節により、大半のES症例の誘発と関係している。低分子であるYK-4-279はES細胞においてEWS-FLI1機能を阻害し、アポトーシスを誘導する。本試験の目的は、薬物の作用機構およびその抗腫瘍活性を亢進すると考えられる併用療法候補の両方を明らかにすることであった。69種類の抗がん薬とYK-4-279の併用を検討し、ビンカアルカロイド系薬剤は5つのES細胞株においてYK-4-279と相乗効果を示すことを見出した。ES異種移植片を有するマウスにおいて、YK-4-279とビンクリスチンの併用療法は腫瘍量を減少させ、生存期間を延長した。われわれは、独立した薬物誘導性のイベントが統合してこの相乗的な治療効果を引き起こすことを明らかにした。YK-4-279はG2-M停止を速やかに誘導し、サイクリンB1の存在量を増加させ、EWS-FLI1を介した微小管会合タンパク質の形成を抑制した。これらは細胞を、ビンクリスチンによる微小管脱重合をさらに受けやすい状態にした。YK-4-279はユビキチンリガーゼUBE2CをコードするEWS-FLI1標的遺伝子の発現を低下させ、これは一部、サイクリンB1の増加に寄与した。さらにYK-4-279は、おそらくEWS-FLI1による選択的スプライシングの阻害を通じて、MCL1およびBCL2のアポトーシス促進性アイソフォームの存在量も増加させ、それによってビンクリスチンに対する細胞死を促進した。このように、ビンクリスチンとYK-4-279の併用はES患者の治療に有効と考えられる。

Citation: S. K. Zöllner, S. P. Selvanathan, G. T. Graham, R. M. T. Commins, S. H. Hong, E. Moseley, S. Parks, J. N. Haladyna, H. V. Erkizan, U. Dirksen, M. D. Hogarty, A. Üren, J. A. Toretsky, Inhibition of the oncogenic fusion protein EWS-FLI1 causes G2-M cell cycle arrest and enhanced vincristine sensitivity in Ewing's sarcoma. Sci. Signal. 10, eaam8429 (2017).

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