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微小管はNOX2およびTRPV4を介したメカノトランスダクションを調整し骨細胞のスクレロスチン量を減少させる

Microtubules tune mechanotransduction through NOX2 and TRPV4 to decrease sclerostin abundance in osteocytes

Research Article

Sci. Signal. 21 Nov 2017:
Vol. 10, Issue 506, eaan5748
DOI: 10.1126/scisignal.aan5748

James S. Lyons1, Humberto C. Joca2, Robert A. Law3, Katrina M. Williams1, Jaclyn P. Kerr4, Guoli Shi4, Ramzi J. Khairallah5, Stuart S. Martin6, Konstantinos Konstantopoulos3, Christopher W. Ward4,*, and Joseph P. Stains1,*

1 Department of Orthopaedics, University of Maryland School of Medicine, Baltimore, MD 21201, USA.
2 Center for Biomedical Engineering and Technology, University of Maryland School of Medicine, Baltimore, MD 21201, USA.
3 Department of Chemical & Biomolecular Engineering, Johns Hopkins University, Baltimore, MD 21218, USA.
4 Department of Orthopaedics, University of Maryland School of Nursing, Baltimore, MD 21201, USA.
5 Myologica, LLC, New Market, MD 21212, USA.
6 Department of Physiology, University of Maryland School of Medicine, Baltimore, MD 21201, USA.

* Corresponding author. Email: jstains@som.umaryland.edu (J.P.S.); ward@umaryland.edu (C.W.W.)

要約
骨格の機械的環境への適応は、主に骨形成の分泌性阻害因子であるスクレロスチンの存在量を調節することによって、機械感受性骨細胞により調整される。われわれは、培養骨細胞におけるスクレロスチン存在量の減少を導く活性酸素種(ROS)およびカルシウム(Ca2+)シグナルに流体せん断応力を結びつける微小管依存性メカノトランスダクション経路を定義した。われわれは、重合したα-チューブリンの可逆的翻訳後修飾である脱チロシン化により安定化された微小管が、培養骨細胞の流体せん断応力に対する機械的応答範囲を規定する細胞骨格の剛性を決定することを実証した。われわれは、微小管ネットワークを介した流体せん断応力が、Ca2+チャンネルTRPV4を標的とするNADPHオキシダーゼ2(NOX2)産生ROSを活性化し、Ca2+流入を誘発することを示した。さらに、脱チロシン化されたチューブリン量の調整は、流体せん断応力に対する培養骨細胞の機械的応答範囲を定義する細胞骨格の剛性に影響を与えた。最後に、われわれは、NOX2-ROSが、キナーゼCaMKIIを活性化するCa2+シグナルを誘発し、スクレロスチンタンパク質の存在量を減少させることを示した。合わせると、これらの発見は、骨質に影響を及ぼす骨細胞のメカノトランスダクションを調節する潜在的な薬剤標的を同定する可能性がある。

Citation: J. S. Lyons, H. C. Joca, R. A. Law, K. M. Williams, J. P. Kerr, G. Shi, R. J. Khairallah, S. S. Martin, K. Konstantopoulos, C. W. Ward, J. P. Stains, Microtubules tune mechanotransduction through NOX2 and TRPV4 to decrease sclerostin abundance in osteocytes. Sci. Signal. 10, eaan5748 (2017).

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