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フォスファターゼPP2AcのCa2+依存的脱メチル化は解糖の阻害とは独立にグルコース欠乏誘導性細胞死を促進する

Ca2+-dependent demethylation of phosphatase PP2Ac promotes glucose deprivation-induced cell death independently of inhibiting glycolysis

Research Article

Sci. Signal. 09 Jan 2018:
Vol. 11, Issue 512, eaam7893
DOI: 10.1126/scisignal.aam7893

Ha Yin Lee1, Yoko Itahana1, Stefan Schuechner2, Masahiro Fukuda3, H. Shawn Je3, Egon Ogris2, David M. Virshup1,4,5, and Koji Itahana1,*

1 Programme in Cancer and Stem Cell Biology, Duke-NUS Medical School, 8 College Road, 169857, Singapore.
2 Department of Medical Biochemistry, Max F. Perutz Laboratories, Medical University of Vienna, Dr. Bohr-Gasse 9, 1030 Vienna, Austria.
3 Programme in Neuroscience and Behavioural Disorders, Duke-NUS Medical School, 8 College Road, 169857, Singapore.
4 Department of Biochemistry, National University of Singapore, 8 Medical Drive, 117596, Singapore.
5 Department of Pediatrics, Duke University School of Medicine, Durham, NC 27710, USA.

* Corresponding author. Email: koji.itahana@duke-nus.edu.sg

要約

がん細胞は、グルコース代謝を増加させ、好気性解糖を助ける。しかしながら、いくつかのがん細胞のみがグルコース枯渇に対して強い感受性を示し、この選択的感受性の基となる機構は不明である。われわれは、グルコース欠乏が、キナーゼRIPK1に依存したがん細胞の細胞死経路を開始させることを示した。グルコース枯渇は、急速な細胞膜脱分極とL型カルシウムチャネルCav1.3(CACNA1D)を介した細胞外カルシウムの細胞への流入を引き起こし、その後、キナーゼCAMK1が活性化された。CAMK1およびデメチラーゼPPME1は、その後のホスファターゼPP2Aの触媒サブユニット(PP2Ac)の脱メチル化および不活性化とRIPK1のリン酸化に必要であった。細胞膜脱分極、PP2Ac脱メチル化、および細胞死は、グルコースにより、そして意外にもその非代謝性類似体2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)、すなわち解糖阻害剤により妨げられた。これらの知見は、解糖におけるその役割とは無関係に、細胞膜脱分極により誘導される死から細胞を保護するシグナル分子としてグルコースのこれまでに知られていない機能を明らかにする。このがん細胞死経路の構成要素は、がんに対する潜在的な治療標的を表す。

Citation: H. Y. Lee, Y. Itahana, S. Schuechner, M. Fukuda, H. S. Je, E. Ogris, D. M. Virshup, K. Itahana, Ca2+-dependent demethylation of phosphatase PP2Ac promotes glucose deprivation-induced cell death independently of inhibiting glycolysis. Sci. Signal. 11, eaam7893 (2018).

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