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脆弱X症候群のヒト人工多能性幹細胞由来の神経前駆細胞におけるAMPA応答の機能的変化

Functional changes of AMPA responses in human induced pluripotent stem cell-derived neural progenitors in fragile X syndrome

Research Article

Sci. Signal. 16 Jan 2018:
Vol. 11, Issue 513, eaan8784
DOI: 10.1126/scisignal.aan8784

Venkat Swaroop Achuta1, Tommi Möykkynen2, Ulla-Kaisa Peteri1, Giorgio Turconi1, Claudio Rivera3,4,5, Kari Keinänen2, and Maija L. Castrén1,6,7,*

1 Department of Physiology, Faculty of Medicine, University of Helsinki, P.O. Box 63, FIN-00014 Helsinki, Finland.
2 Division of Biochemistry and Biotechnology, Department of Biosciences, University of Helsinki, P.O. Box 56, FIN-00014, Helsinki, Finland.
3 Neuroscience Center, University of Helsinki, P.O. Box 56, FIN-00014 Helsinki, Finland.
4 Institut de Neurobiologie de la Méditerranée, INSERM, Unité 901, 13009 Marseille, France.
5 Aix-Marseille Université, Unité Mixte de Recherche 901, 13273 Marseille, France.
6 Rinnekoti Foundation, Rinnekodintie 10, FIN-02980 Espoo, Finland.
7 Autism Foundation, Kuortaneenkatu 7B, FIN-00520 Helsinki, Finland.

* Corresponding author. Email: maija.castren@helsinki.fi

要約

興奮性および抑制性回路の調節不全を含む神経ネットワーク形成および機能の変化は、脆弱X症候群(FXS)に関係する。われわれは、FXS患者由来の神経前駆細胞のグルタミン酸類似体(AMPA)に対する応答を調べることにより、FXSにおける興奮伝達系の機能的成熟を調べた。FXS男児から作製した人工多能性幹細胞(iPSC)由来の神経前駆細胞では、GluA2サブユニットを欠くCa2+透過性AMPA受容体(CP-AMPAR)により媒介される、AMPAおよびカイニン酸に対する細胞内Ca2+応答が増大していた。ヒトFXS前駆細胞では、グルタミン酸応答性細胞の分化の増強とともに、CP-AMPARおよびN -メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体共発現細胞の割合も増加した。Fmr1ノックアウトマウス(FXSマウスモデル)由来の神経前駆細胞では、内向き整流の増加と平行して、GluA2を欠く細胞の分化もまた増加していた。ヒトFXS前駆細胞では、GluA2をコードする転写産物の翻訳を抑制するマイクロRNA、miR-181aの前駆体および成熟型の発現が増加していた。GluA2を欠いたCP-AMPARを遮断すると、ヒトiPSC由来の対照前駆細胞では神経突起長が減少し、ヒトFXS前駆細胞では短縮した神経突起長もさらに減少し、このことから前駆細胞分化の調節へのCP-AMPARの寄与が裏付けられた。われわれは、さらに、FXSマウスの前頭葉ではGria(GluA2をコードする遺伝子)の発現が減少し、FXSにおけるAMPARの機能的変化と一致することを見出した。CP-AMPARによるCa2+流入の増加は、異なる細胞集団において脆弱性を増加させ、分化および移動に影響を及ぼす可能性があり、それがFXSにおいて正常な回路形成を妨げている可能性がある。

Citation: V. S. Achuta, T. Möykkynen, U.-K. Peteri, G. Turconi, C. Rivera, K. Keinänen, M. L. Castrén, Functional changes of AMPA responses in human induced pluripotent stem cell-derived neural progenitors in fragile X syndrome. Sci. Signal. 11, eaan8784 (2018).

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