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甲状腺刺激ホルモン受容体特異的抗体による偏向性シグナル伝達が自己免疫における甲状腺細胞の生存を決定する

Biased signaling by thyroid-stimulating hormone receptor-specific antibodies determines thyrocyte survival in autoimmunity

Research Article

Sci. Signal. 23 Jan 2018:
Vol. 11, Issue 514, eaah4120
DOI: 10.1126/scisignal.aah4120

Syed A. Morshed*, Risheng Ma, Rauf Latif, and Terry F. Davies

Thyroid Research Unit, Icahn School of Medicine at Mount Sinai and the James J. Peters VA Medical Center, New York, NY 10029, USA.

*Corresponding author. Email: syed.morshed@mssm.edu

要約

甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)はヘテロ三量体のグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体(GPCR)である。一般にグレーブス病(GD)と呼ばれる自己免疫性甲状腺機能亢進症は、TSHRに対する刺激自己抗体により引き起こされる。われわれは以前、GDにおいてTSHR特異的抗体(TSHR-Abs)がTSHR外部ドメインの切断領域(C-TSHR-Abs)にある線形エピトープを認識し、TSHRを刺激する代わりに甲状腺細胞のアポトーシスを誘導することを示した。今回われわれは、C-TSHR-Absがクラスリンを介したエンドソームにより細胞に侵入するが、エンドソームの成熟を引き起こさず、正常な小胞の選別と輸送を受けられないことを見出した。さらに、刺激性のTSHR-Abs(S-TSHR-Abs)はGαsを活性化しそれより低いレベルでGαqを活性化するが、C-TSHR-Absは、通常はTSHに応じて活性化されるGタンパク質を活性化できないことを見出した。さらに、S-TSHR-mAbsまたはTSHの存在下でGタンパク質を特異的に阻害すると、C-TSHR-mAbsによるものと同様にエンドソームの成熟は引き起こされなかった。したがって、S-TSHR-mAbsおよびTSHは、主要なGタンパク質の活性化を通して通常のTSHRの小胞輸送に寄与したが、一方でC-TSHR-Absは、GRK2-およびβ-アレスチン-1-依存性の偏向性シグナル伝達を生じさせ、これは細胞により危険信号と解釈される。われわれの観察結果は、多様なTSHRエピトープへの抗体結合が細胞の生存を抑制するかもしれないことを示唆している。抗体誘導性の細胞傷害および細胞死に対する応答は、自己寛容の喪失を増幅し、これはおそらくGPCRを介した自己免疫の永続に役立つと考えられる。

Citation: S. A. Morshed, R. Ma, R. Latif, T. F. Davies, Biased signaling by thyroid-stimulating hormone receptor-specific antibodies determines thyrocyte survival in autoimmunity. Sci. Signal. 11, eaah4120 (2018).

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