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外側手綱におけるコルチコトロピン放出因子シグナル伝達の役割と幼少期ストレスによるその調節

A role for corticotropin-releasing factor signaling in the lateral habenula and its modulation by early-life stress

Research Article

Sci. Signal. 06 Mar 2018:
Vol. 11, Issue 520, eaan6480
DOI: 10.1126/scisignal.aan6480

Michael E. Authement*, Ludovic D. Langlois*, Ryan D. Shepard*, Caroline A. Browne, Irwin Lucki, Haifa Kassis, and Fereshteh S. Nugent

Department of Pharmacology, Uniformed Services University of the Health Sciences, Bethesda, MD 20814, USA.

† Corresponding author. Email: fereshteh.nugent@usuhs.edu

* These authors contributed equally to this work.

要約

脳内で中枢から放出されるコルチコトロピン放出因子またはコルチコトロピン放出ホルモン(視床下部外CRFまたはCRH)は、ストレスに対する行動反応または情動反応に関与する。外側手綱(LHb)は、価値に基づく意思決定とストレス回避に関連する視床上部の脳領域である。LHbの活性亢進は、ドーパミンに媒介される報酬回路の阻害を通じて、嗜癖、うつ、統合失調症、行動障害と関連する。われわれは、視床下部外CRF神経伝達がLHbのニューロン興奮性を上昇させることを見出した。CRF処理を行うと、CRFの受容体CRFR1とその下流のプロテインキナーゼA(PKA)を介し、低伝導性のSK型K+チャネルと高伝導性のBK型K+チャネルの変化に影響することによって、LHbニューロンの内因興奮性は上昇した。また、CRFは、内在性カンナビノイドに媒介される逆行性シグナル伝達を介して、LHbニューロンへの抑制性γアミノ酪酸含有(GABA作用性)シナプス伝達を低下させた。母性剥奪は、CRF神経回路を変化させる重度の幼少期ストレスであり、同時に、その後の人生におけるメンタルヘルス障害と関連する。母親によるケアを剥奪された仔由来のLHbニューロンでは、内因興奮性の上昇、GABA作動性伝達の低下、SK2チャネルタンパク質量の減少、PKA活性の亢進がみられたが、CrhまたはCrhr1の発現に実質的な変化は認められなかった。さらに、母性剥奪はその後の急性CRF曝露に対するLHbニューロンの反応を鈍らせた。SKチャネルを活性化、またはシナプス後PKA活性を阻害すると、LHbの内因興奮性に対するCRFと母性剥奪の影響はいずれも予防されたことから、関連疾患患者の中枢性CRF回路調節不全を回復に向かわせる薬理学的標的の同定につながる可能性がある。

Citation: M. E. Authement, L. D. Langlois, R. D. Shepard, C. A. Browne, I. Lucki, H. Kassis, F. S. Nugent, A role for corticotropin-releasing factor signaling in the lateral habenula and its modulation by early-life stress. Sci. Signal. 11, eaan6480 (2018).

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