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δカテニンのパルミトイル化は感覚ニューロンにおいてキネシンに媒介されるNav1.6の膜輸送を促進して神経障害性疼痛を悪化させる

Palmitoylation of δ-catenin promotes kinesin-mediated membrane trafficking of Nav1.6 in sensory neurons to promote neuropathic pain

Research Article

Sci. Signal. 27 Mar 2018:
Vol. 11, Issue 523, eaar4394
DOI: 10.1126/scisignal.aar4394

Xiao-Long Zhang1,2,*, Huan-Huan Ding1,2,*, Ting Xu1,2,*, Meng Liu1,2,*, Chao Ma3, Shao-Ling Wu3, Jia-You Wei1,2, Cui-Cui Liu3, Su-Bo Zhang3, and Wen-Jun Xin1,2,†

1 Neuroscience Program, Zhongshan School of Medicine, The Fifth Affiliated Hospital of Sun Yat-sen University, Sun Yat-sen University, Guangzhou 510080, China.
2 Guangdong Province Key Laboratory of Brain Function and Disease, Zhongshan School of Medicine, Sun Yat-sen University, Guangzhou 510080, China.
3 Department of Rehabilitation Medicine, Sun Yat-Sen Memorial Hospital, Sun Yat-sen University, Guangzhou 510120, China.

† Corresponding author. Email: xinwj@mail.sysu.edu.cn

* These authors contributed equally to this work.

要約

δカテニンのパルミトイル化は、シナプスの可塑性と記憶形成に不可欠である。われわれは、δカテニンのパルミトイル化が神経障害性疼痛の発症にも関与することを見出した。パルミトイル化されたδカテニンとパルミトイルアシルトランスフェラーゼDHHC3の存在量は、神経障害性疼痛ラットモデルの後根神経節(DRG)感覚ニューロンで増加していた。ラットのDRGに2-ブロモパルミチン酸を注入してパルミトイルアシルトランスフェラーゼを阻害する、またはshRNAを注入してδカテニン量を減少させると、オキサリプラチンまたは神経損傷に誘導された神経障害性疼痛が軽減された。炎症性サイトカインTNF-αによってδカテニンのパルミトイル化を誘導したところ、δカテニンと電位開口型ナトリウムチャネルNav1.6およびキネシンモータータンパク質KIF3Aとの相互作用が亢進され、それによってDRGニューロンにおけるNav1.6の細胞膜への輸送が促進され、ラットの機械的過敏性とアロディニア(異痛症)に寄与した。これらの知見は、パルミトイル化に媒介されるKIF3A/δカテニン/Nav1.6複合体が機械的侵害受容性シグナルの伝達を増強すること、そのため、この機構の遮断が神経障害性疼痛患者の治療につながる可能性があることを示唆している。

Citation: X.-L. Zhang, H.-H. Ding, T. Xu, M. Liu, C. Ma, S.-L. Wu, J.-Y. Wei, C.-C. Liu, S.-B. Zhang, -catenin promotes kinesin-mediated membrane trafficking of Nav1.6δW.-J. Xin, Palmitoylation of in sensory neurons to promote neuropathic pain. Sci. Signal. 11, eaar4394 (2018).

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