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マイトファジーはパーキン依存性UCP1非依存性の機構を介してベージュ脂肪細胞維持を制御する

Mitophagy controls beige adipocyte maintenance through a Parkin-dependent and UCP1-independent mechanism

Research Article

Sci. Signal. 24 Apr 2018:
Vol. 11, Issue 527, eaap8526
DOI: 10.1126/scisignal.aap8526

Xiaodan Lu1,2,3,4,5, Svetlana Altshuler-Keylin1,2,3,6, Qiang Wang1,2,3, Yong Chen1,2,3, Carlos Henrique Sponton1,2,3,7, Kenji Ikeda1,2,3, Pema Maretich1,2,3, Takeshi Yoneshiro1,2,3, and Shingo Kajimura1,2,3,*

1 Diabetes Center, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
2 Eli and Edythe Broad Center of Regeneration Medicine and Stem Cell Research, San Francisco, CA 94143, USA.
3 Department of Cell and Tissue Biology, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
4 Medical Diagnostic Research Center, Jilin Province People's Hospital, Changchun, Jilin 130021, China.
5 Department of Immunology, Jilin University, Changchun, Jilin 130021, China.
6 Department of Physiological Chemistry, Genentech Inc., South San Francisco, CA 94080, USA.
7 Obesity and Comorbidities Research Center, University of Campinas (UNICAMP), Campinas, Sao Paulo 13084-970, Brazil.

* Corresponding author. Email: shingo.kajimura@ucsf.edu

要約

ベージュ脂肪細胞は、慢性的な寒冷曝露などの外部刺激に反応して生じる、誘導型のミトコンドリアに富む熱産生脂肪細胞である。われわれは以前に、外部刺激を取り除くと、ベージュ脂肪細胞が、オートファジーを介するミトコンドリア分解によって、白色脂肪様表現型を直接獲得することを示した。今回、ミトコンドリアの排除を仲介する上流経路を検討したところ、パーキン介在性のマイトファジーが、ベージュ脂肪細胞から白色脂肪細胞への移行に重要な役割を果たすことがわかったので報告する。Park2を遺伝学的に欠損するマウスにおいては、外部刺激を取り除いた後でも、ミトコンドリア分解が少なく、熱産生ベージュ脂肪細胞が維持されていた。PKA経路を介するノルエピネフリンシグナル伝達が、ベージュ脂肪細胞において、パーキンタンパク質のミトコンドリアへの動員を阻害した。しかし、脱共役タンパク質1(UCP1)によるミトコンドリアのプロトン脱共役は、パーキンの動員およびベージュ脂肪細胞の維持に必要ではなかった。これらの結果から、外部のシグナルが、マイトファジーを介して、熱産生脂肪細胞におけるミトコンドリア恒常性を制御する生理学的機構が示唆される。

Citation: X. Lu, S. Altshuler-Keylin, Q. Wang, Y. Chen, C. Henrique Sponton, K. Ikeda, P. Maretich, T. Yoneshiro, S. Kajimura, Mitophagy controls beige adipocyte maintenance through a Parkindependent and UCP1-independent mechanism. Sci. Signal. 11, eaap8526 (2018)

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