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遺伝子発現の動態がサルモネラ(Salmonella)外膜の刺激特異的な修飾を支配している

Gene expression kinetics governs stimulus-specific decoration of the Salmonella outer membrane

Research Article

Sci. Signal. 08 May 2018:
Vol. 11, Issue 529, eaar7921
DOI: 10.1126/scisignal.aar7921

Xinyu Hong1,2,3,4, H. Deborah Chen2,*, and Eduardo A. Groisman2,3,†

1 Department of Cell Biology, Yale School of Medicine, 295 Congress Avenue, New Haven, CT 06536, USA.
2 Department of Microbial Pathogenesis, Yale School of Medicine, 295 Congress Avenue, New Haven, CT 06536, USA.
3 Yale Microbial Sciences Institute, P.O. Box 27389, West Haven, CT 06516, USA.
4 Integrated Graduate Program in Physical and Engineering Biology, Yale University, New Haven, CT 06536, USA.

† Corresponding author. Email: eduardo.groisman@yale.edu

* Present address: Translational Medicine Research Centre, Merck Sharp and Dohme, 8 Biomedical Grove, #04-01, Singapore 138665, Singapore.

要約

リピドAはグラム陰性菌においてリポ多糖(LPS)分子の最も奥にある構成要素であり、外膜の外葉を占有している。リピドAは宿主免疫系により認識され、カチオン性抗菌物質の標的となる。ネズミチフス菌(Salmonella enterica serovar Typhimurium)において、リピドAのリン酸は、転写調節因子PmrAの標的遺伝子によりコードされる酵素によって化学的修飾を受ける。このような修飾は、LPSの負電荷を低下させることで、カチオン性ペプチド抗菌物質であるポリミキシンBに対する抵抗性を増強する。われわれは、PmrAが低Mg2+により活性化されたとき、軽度の酸性pHにより活性化されたときとで、サルモネラが異なるリピドAプロファイルを生成する機構をここに報告する。低Mg2+は、調節性タンパク質PhoPを活性化することで、4-アミノ-4-デオキシ-L-アミノアラビノース(L-Ara4N)によるリン酸リピドAの修飾を促進した。これは最初、さらにリン酸基をリピドAに付加する酵素をコードするlpxTの転写を促進することで、LPSの負電荷を増強した。その後PhoPはPmrAを翻訳後に活性化し、それにより、LpxT阻害因子PmrRおよびL-Ara4Nの取り込みを担う酵素をコードする遺伝子を含む、PmrA活性化遺伝子の発現に至った。一方、軽度の酸性pHは、PhoP活性化lpxTおよびPmrA活性化pmrR遺伝子を同時に誘導することで、L-Ara4Nおよびホスホエタノールアミン(pEtN)混合物によるリピドAのリン酸修飾を促進した。L-Ara4NはpEtNよりもLPSの負電荷を多く減少させるが、L-Ara4NによるリピドAのリン酸修飾のみ、それに先立つリピドAの負電荷の一過性の増加を必要とした。われわれの所見は、細菌が、貪食細胞の中で直面するような様々なストレスに対し、どのようにその細胞表面を調整しているのかを示している。

Citation: X. Hong, H. D. Chen, E. A. Groisman, Gene expression kinetics governs stimulus-specific decoration of the Salmonella outer membrane. Sci. Signal. 11, eaar7921 (2018).

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