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ネットワークダイナミクスの網羅的評価により、キナーゼPlk1はホスファターゼPP6を阻害してAurora A活性を促進することが明らかに

Global assessment of its network dynamics reveals that the kinase Plk1 inhibits the phosphatase PP6 to promote Aurora A activity

Research Article

Sci. Signal. 15 May 2018:
Vol. 11, Issue 530, eaaq1441
DOI: 10.1126/scisignal.aaq1441

Arminja N. Kettenbach1,2,*, Kate A. Schlosser2, Scott P. Lyons1, Isha Nasa1, Jiang Gui3, Mark E. Adamo2, and Scott A. Gerber1,2,4,*

1 Department of Biochemistry and Cell Biology, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Hanover, NH 03755, USA.
2 Norris Cotton Cancer Center, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Lebanon, NH 03756, USA.
3 Department of Biomedical Data Science, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Lebanon, NH 03756, USA.
4 Department of Molecular and Systems Biology, Geisel School of Medicine at Dartmouth, Hanover, NH 03755, USA.

* Corresponding author. Email: arminja.n.kettenbach@dartmouth.edu (A.N.K.); scott.a.gerber@dartmouth.edu (S.A.G.)

要約

Polo様キナーゼ1(Plk1)は、真核生物において忠実な有糸分裂進行を促進する、必須のプロテインキナーゼである。Plk1の細胞内局在と基質相互作用は厳密に制御されており、リン酸化残基との結合を必要とする。われわれは、ヒト有糸分裂細胞におけるPlk1ネットワーク内のリン酸化依存性相互作用を同定するために、キナーゼ阻害剤と培養したHeLa細胞、またはリン酸化依存性基質結合を欠損したPlk1変異体を発現するHeLa細胞において、定量的プロテオミクス解析を行った。キナーゼ阻害によって、多数の相互作用が消失することが見出された。しかし、あるサブセットは、ホスファターゼの妨害から保護され、または妨害を受けず、基質のPlk1との持続的な相互作用をもたらした。このサブセットには、オーロラキナーゼA(Aurora A)に対する活性がPlk1によって阻害されるリン酸化タンパク質ホスファターゼ6(PP6)が含まれた。われわれのデータから、このPlk1-PP6間相互作用が、有糸分裂開始時にPlk1とAurora Aの活性を連動させて増強し、有糸分裂終了時にPlk1の分解によって終結される、フィードバックループを生み出すことが示唆される。このようにわれわれは、Aurora AのPlk1依存性調節というこれまで不可解であった観察結果に関する機構を同定した。

Citation: A. N. Kettenbach, K. A. Schlosser, S. P. Lyons, I. Nasa, J. Gui, M. E. Adamo, S. A. Gerber, Global assessment of its network dynamics reveals that the kinase Plk1 inhibits the phosphatase PP6 to promote Aurora A activity. Sci. Signal. 11, eaaq1441 (2018).

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2018年5月15日号

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