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Ric-8Aの二重リン酸化は、それがGタンパク質αサブユニットのフォールディングを媒介し、グアニンヌクレオチド交換を刺激する能力を強化する

Dual phosphorylation of Ric-8A enhances its ability to mediate G protein α subunit folding and to stimulate guanine nucleotide exchange

Research Article

Sci. Signal. 29 May 2018:
Vol. 11, Issue 532, eaap8113
DOI: 10.1126/scisignal.aap8113

Makaía M. Papasergi-Scott1, Hannah M. Stoveken2, Lauren MacConnachie2, Pui-Yee Chan1, Meital Gabay1, Dorothy Wong2, Robert S. Freeman1, Asim A. Beg2, and Gregory G. Tall2,*

1 Department of Pharmacology and Physiology, University of Rochester Medical Center, Rochester, NY 14642, USA.
2 Department of Pharmacology, University of Michigan Medical School, Ann Arbor, MI 48109, USA.

*Corresponding author. Email: gregtall@med.umich.edu

要約

コリンエステラーゼ-8A(Ric-8A)およびRic-8Bの阻害剤に対する抵抗性は、ヘテロ三量体Gタンパク質αサブユニットに不可欠な生合成シャペロン機能である。われわれは、二重リン酸化によるRic-8A細胞活性の直接制御に関してエビデンスを示した。プロテオミクス、ウェスタンブロットおよび変異解析を用いて、Ric-8AはプロテインキナーゼCK2によって5つのセリンおよびスレオニン部位で恒常的にリン酸化されていることを明らかにした。Gαサブユニットに対する高親和性結合、Gαサブユニットグアニンヌクレオチド交換の効率的な刺激、およびGαサブユニットのフォールディングの媒介には、ラットRic-8AのSer435およびThr440(ヒトRic-8AのSer436およびThr441に相当)のリン酸化が不可欠であった。Ser435およびThr440を含むCK2コンセンサス部位は、線虫から哺乳動物までRic-8ホモログ中に保存されている。われわれは、マウスRic-8Bの相同残基であるSer468およびSer473もリン酸化されることを見出した。線虫(Caenorhabditis elegans)のric-8のゲノムコピーを、相同部位でアラニンをコードするよう変異させたとき、運動の低下および無産卵を含め、GqおよびGsシグナル伝達の欠失と関連する特徴的なric-8の機能低下型表現型が生じた。線虫におけるric-8のリン酸部位変異体の表現型は、Gqシグナル伝達の化学的刺激によって部分的にレスキューされた。これらの結果は、二重リン酸化が、保存されているRic-8制御の重要な形式であることを示し、有効なGαシグナル伝達にはRic-8タンパク質が必要であることを実証している。Ric-8Aの構造モデル内のCK2-リン酸化部位の位置から、これらの部位は、Gαサブユニットとの相互作用に重要であろう、酸性で負に荷電した重要な表面に寄与することが解明された。

Citation: : M. M. Papasergi-Scott, H. M. Stoveken, L. MacConnachie, P.-Y. Chan, M. Gabay, D. Wong,R. S. Freeman, A. A. Beg, G. G. Tall, Dual phosphorylation of Ric-8A enhances its ability to mediate G protein α subunit folding and to stimulate guanine nucleotide exchange. Sci. Signal. 11,eaap8113 (2018).

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