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Nogo受容体のリン酸化はNogoシグナル伝達を抑制し、神経突起の再生を可能にする

Phosphorylation of Nogo Receptors Suppresses Nogo Signaling, Allowing Neurite Regeneration

Research Article

Sci. Signal., 31 March 2009
Vol. 2, Issue 64, p. ra14
[DOI: 10.1126/scisignal.2000062]

Yoshinori Takei*

Medical Research Council Cancer Cell Unit, MRC/Hutchison Research Centre, Hills Road, Cambridge CB2 0XZ, UK.
* E-mail: yt215@hutchison-mrc.cam.ac.uk

要約 : ミエリン付随タンパク質であるNogo-A、MAG、およびOMgpは、Nogo受容体への結合を介してオリゴデンドロサイトからニューロンへとシグナルを伝達する。Nogoシグナル伝達は、中枢神経系(CNS)の発達および維持において重要な役割を果たす。このシグナル伝達系は、ニューロンの分化、遊走、および神経突起伸長を抑制し、成体CNSの損傷からの回復不良を生じさせる可能性がある。本稿では、カゼインキナーゼII(CK2)によるNogo受容体のリン酸化がミエリン付随タンパク質の結合を阻害することを示す。このリン酸化反応は脳由来神経栄養因子によって促進され、ニューロブラストーマ由来神経細胞からの神経突起伸長のNogo依存的な阻害を抑制した。同様に、成体ラットの神経では、ミエリン付随タンパク質による神経突起伸長の阻害が細胞外CK2処理によって克服された。これらの知見は、Nogoシグナル伝達、ひいてはニューロンの再生を制御するための新たな方策を与えてくれる。

Y. Takei, Phosphorylation of Nogo Receptors Suppresses Nogo Signaling, Allowing Neurite Regeneration. Sci. Signal. 2, ra14 (2009).

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