T細胞の活性化における時空間パターン形成は極めて多様である

Sci. Signal., 7 April 2009
Vol. 2, Issue 65, p. ra15
[DOI: 10.1126/scisignal.2000199]

Kentner L. Singleton^1*, Kole T. Roybal^1*, Yi Sun¹, Guo Fu², Nicholas R. J. Gascoigne², Nicolai S. C. van Oers¹, and Christoph Wülfing^{1,3 †}

¹ Department of Immunology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
² Department of Immunology and Microbial Science, The Scripps Research Institute, La Jolla, CA 92037, USA.
³ Department of Cell Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.

^* These authors contributed equally to this work.

^† To whom correspondence should be addressed. E-mail: christoph.wuelfing@utsouthwestern.edu

要約 : ひとつの生細胞内のシグナルメディエーターの濃度の時空間的変動は、シグナルメディエーターどうしが相互作用する確率を調節することから、複雑なネットワークにおけるシグナル伝達にとって重要である。我々は、抗原提示細胞によるマウスT細胞のex vivoでの生理学的活性化における、受容体から転写因子までの30種のシグナル伝達センサーについて検討した。これら分子の時空間パターン形成は極めて多様であり、特定のT細胞受容体やT細胞活性化の条件に応じて変化した。このように多様性や変動性が認められたことは、時空間パターン形成がT細胞の活性化の際のシグナル伝達相互作用を生理学的に重要かつ差別的な方法で制御することを示唆する。これを裏付けるように、リガンド結合受容体とシグナルメディエーターの一群が結合した形で効果的にクラスターを形成することが、全細胞レベルでの効率的なT細胞活性化と一貫して相関していた。