Rfx4転写因子が繊毛形成の領域制御によりShhシグナル伝達を調節する

Sci. Signal., 3 November 2009
Vol. 2, Issue 95, p. ra70
[DOI: 10.1126/scisignal.2000602]

Amir M. Ashique¹, Youngshik Choe², Mattias Karlen³, Scott R. May⁴, Khanhky Phamluong¹, Mark J. Solloway¹, Johan Ericson³, and Andrew S. Peterson^1*

¹ Department of Molecular Biology, Genentech, South San Francisco, CA 94080, USA.
² Department of Neurology, University of California at San Francisco, San Francisco, CA 94158, USA.
³ Department of Cell and Molecular Biology, Karolinska Institutet, Stockholm SE-171 77, Sweden.
⁴ Molecular Neurobiology Laboratory, The Salk Institute, La Jolla, CA 92186, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: peterson.andrew@gene.com

要約 : 調節因子X（Rfx）のホモログは、無脊椎動物と脊椎動物における繊毛形成に必要な遺伝子の転写を調節する。ヘッジホッグシグナル伝達、およびその標的であるGliタンパクとして知られる転写調節因子の活性化の調節には一次繊毛が必要である。本稿では、ソニック・ヘッジホッグ（Sonic hedgehog：Shh）シグナル伝達およびGli3活性異常のために、腹側脊髄および終脳に明らかな背腹パターン形成障害を有するマウスRfx4^L298P変異体について述べる。われわれは、繊毛形成に必要な鞭毛内輸送タンパク質をコードするIft172がRfx4の直接の転写標的であり、Rfx4^L298P変異体の発生中の終脳および脊髄におけるその発現の低下がパターン形成および繊毛形成の異常と相関することを突き止めた。われわれのデータは、Rfx4が繊毛形成の領域特異的転写調節因子であり、中枢神経系発生中のShhシグナル伝達の領域特異的調節因子でもあることを示唆する。