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グルタミノリシスに由来するアンモニアはオートファジーの拡散性調節因子である

Ammonia Derived from Glutaminolysis Is a Diffusible Regulator of Autophagy

Research Article

Sci. Signal., 27 April 2010
Vol. 3, Issue 119, p. ra31
[DOI: 10.1126/scisignal.2000911]

Christina H. Eng1, Ker Yu1, Judy Lucas1, Eileen White2,3, and Robert T. Abraham1*

1 Center for Integrative Biology and Biotherapeutics, Pfizer, Pearl River, NY 10965, USA.
2 Cancer Institute of New Jersey, New Brunswick, NJ 08903, USA.
3 Department of Molecular Biology and Biochemistry, Rutgers University, 604 Allison Road, Piscataway, NJ 08854, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: Robert.Abraham@pfizer.com

要約:オートファジーは、厳密な調節を受ける異化過程であり、細胞外栄養制限時やストレス時における細胞の正常 なホメオスタシスと生存にとって主要な役割を果たす。オートファジー活性を調節する環境シグナルについてはほんの一部がわかっているのみである。本稿で は、形質転換ヒト細胞と非形質転換ヒト細胞の両方におけるグルタミン(Gln)代謝とオートファジー活性の直接的な関連について報告する。Gln含有培地 で2日以上培養した細胞はオートファジーが亢進したが、これは栄養欠乏にも哺乳類ラパマイシン標的タンパク質の阻害にも起因しなかった。これらの細胞の培 養上清には二次培養中でオートファジーを誘導する揮発性因子が含まれていた。本研究では、この因子がグルタミノリシスによるGln脱アミノ化反応由来のア ンモニアであることを確認した。Gln依存性アンモニア産生は基礎的オートファジーを支持し、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)誘発の細胞死から細胞を保護 した。以上のように、Gln代謝は細胞増殖を刺激するだけでなく、増殖細胞におけるオートファジーの流束の自己分泌作用性および傍分泌作用性の調節因子も 産生する。

C. H. Eng, K. Yu, J. Lucas, E. White, R. T. Abraham, Ammonia Derived from Glutaminolysis Is a Diffusible Regulator of Autophagy. Sci. Signal. 3, ra31 (2010).

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2010年4月27日号

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