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Vav1によって仲介される足場相互作用が、SLP-76のマイクロクラスターを安定化し、抗原依存性のT細胞応答に寄与する
Vav1-Mediated Scaffolding Interactions Stabilize SLP-76 Microclusters and Contribute to Antigen-Dependent T Cell Responses
Sci. Signal., 8 March 2011
Vol. 4, Issue 163, p. ra14
[DOI: 10.1126/scisignal.2001178]
Nicholas R. Sylvain1, Ken Nguyen1, and Stephen C. Bunnell1,2*
1 Program in Immunology, Sackler School of Graduate Biomedical Sciences, Tufts University School of Medicine, Boston, MA 02111, USA.
2 Department of Pathology, Tufts University School of Medicine, Boston, MA 02111, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: stephen.bunnell@tufts.edu
要約:グアニンヌクレオチド交換因子(guanine nucleotide exchange factor:GEF)のVav1は、アダプタータンパク質SLP-76(76 kDのSrc相同2ドメインを含有する白血球リン酸化タンパク質)と協働して、T細胞の発生と活性化をサポートする。SLP-76は、T細胞受容体(T cell receptor:TCR)の連結反応に応答し、集合してマイクロクラスターを構築し、T細胞の活性化を促すシグナル伝達イベントに不可欠なプラットフォームを提供する。われわれは、Vav1がTCRマイクロクラスターよりもSLP-76マイクロクラスターに選択的に入り、その安定性と機能に影響を与えることを見出した。Src相同ドメインを含有するVav1のC末端は、Vav1がSLP-76マイクロクラスターに加わるための必要十分条件であった。しかし、Vav1のこの領域は、マイクロクラスターを安定化させるのには不十分であり、T細胞の活性化を強力に抑制した。これは、GEFドメインを含有するVav1のN末端もまた、SLP-76マイクロクラスターの完全性、ひいてはT細胞の活性化に寄与していることを示唆する。このようなマイクロクラスターを安定化させる機能は、Vav1のN末端のGEF活性とは独立しており、Vav1のGEF機能を変異によって不活性化しても、構成的に活性化しても影響を受けなかった。対照的に、カルポニン相同ドメイン、あるいはGEFの触媒コアのいずれかを欠失させた変異型Vav1は、足場の欠陥はわずかであったが、TCR依存性カルシウムイオン(Ca2+)応答に対しては異なる影響を示した。われわれは、GEFとは独立してVav1のN末端全体に配された複数の足場機能が、SLP-76マイクロクラスターの安定性と機能を向上させるために相乗的に作用することによって、T細胞の活性化に寄与していると結論づける。
N. R. Sylvain, K. Nguyen, S. C. Bunnell, Vav1-Mediated Scaffolding Interactions Stabilize SLP-76 Microclusters and Contribute to Antigen-Dependent T Cell Responses. Sci. Signal. 4, ra14 (2011).