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アグロバクテリウム(Agrobacterium)は自身のエフェクターF-ボックスタンパク質の宿主による分解に対抗する
Agrobacterium Counteracts Host-Induced Degradation of Its Effector F-Box Protein
Sci. Signal., 18 October 2011
Vol. 4, Issue 195, p. ra69
[DOI: 10.1126/scisignal.2002124]
Shimpei Magori* and Vitaly Citovsky
Department of Biochemistry and Cell Biology, State University of New York, Stony Brook, NY 11794-5215, USA.
* To whom correspondence should be addressed. E-mail: smagori@notes.cc.sunysb.edu
要約:SCF(Skp1-Cul1-F-ボックスタンパク質)ユビキチンリガーゼ複合体は、宿主‐病原体相互作用などのさまざまな生物学的過程において重要な役割を果たす。多くの病原体が、宿主のSCF機構を利用して、病原体がコードするF-ボックスタンパク質を宿主細胞内に移導入することによって効率的な感染を促進する。しかし、F-ボックスタンパク質は本質的に不安定な性質をもつにもかかわらず、病原体が十分な量のF-ボックスエフェクターを宿主細胞内で確保する仕組みについてはまだ分かっていない。われわれは、アグロバクテリウム(Agrobacterium)の重要な病原性因子の1つであるF-ボックスタンパク質VirFが、宿主のプロテアソーム経路によって急速に分解されることを見出した。このようなVirFの不安定化は、VirFと物理的に相互作用するもう1つの細菌エフェクターVirD5によって打ち消された。これらの観察結果は、病原体が起こり得る宿主抗菌応答に対抗して利用するこれまで未知の対抗防御戦略を明らかにしている。
S. Magori, V. Citovsky, Agrobacterium Counteracts Host-Induced Degradation of Its Effector F-Box Protein. Sci. Signal. 4, ra69 (2011).