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カルシウム感知受容体のアゴニスト駆動性の成熟と細胞膜への提示がシグナルの大きさを動的に制御する

Agonist-Driven Maturation and Plasma Membrane Insertion of Calcium-Sensing Receptors Dynamically Control Signal Amplitude

Research Article

Sci. Signal., 22 November 2011
Vol. 4, Issue 200, p. ra78
[DOI: 10.1126/scisignal.2002208]

Michael P. Grant, Ann Stepanchick, Alice Cavanaugh, and Gerda E. Breitwieser*

Weis Center for Research, Geisinger Clinic, 100 North Academy Avenue, Danville, PA 17822-2604, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: gebreitwieser@geisinger.edu

要約:カルシウム感知受容体(CaSR)は、副甲状腺、腎臓、腸、骨において全身性のカルシウム恒常性を調節し、血清中のカルシウムの変動をペプチドホルモン分泌や細胞のシグナル伝達、遺伝子発現の調節へと変換する。CaSRは、Gタンパク質(ヘテロ三量体グアノシン三リン酸結合タンパク質)共役型受容体であり、アゴニストの持続的存在下で機能し、高い協同性と最小限の機能的脱感作でわずかな変化を感知する。今回われわれは、多波長の全反射蛍光顕微鏡法を用いて、CaSRのシグナル伝達特性が、アゴニスト駆動性の成熟と細胞膜へのCaSRの提示に起因することを示した。細胞膜のCaSRは構成的にエンドサイトーシスされ、ほとんどリサイクルされることは無かったことから、シグナル伝達がCaSRの細胞膜への提示の速度によって決まることが示唆された。細胞内のCaSRは、核周辺の小胞体においてカルネキシンと共局在し、14-3-3タンパク質と複合体を形成した。持続的なCaSRシグナル伝達は、分泌経路を介するCaSRのアゴニスト駆動性輸送によって発生した。新たに合成された受容体の糖鎖修飾が遮断されると、アゴニストによって動員されるCaSRの細胞内貯蔵が枯渇したことから、受容体の生合成がシグナル伝達と共役していることが示唆された。CaSRが持続的に、かつシグナル伝達依存的に細胞膜に提示されることによって、脱感作とエンドサイトーシスが進行しているにもかかわらず、細胞外カルシウムまたはアロステリックなアゴニストの濃度変化に対する迅速な応答が確保された。細胞膜上のCaSRの存在量の調節は、これまで知られていなかった調節機構を表しており、アゴニストの持続的存在下で機能する他の受容体にもあてはまる可能性がある。

M. P. Grant, A. Stepanchick, A. Cavanaugh, G. E. Breitwieser, Agonist-Driven Maturation and Plasma Membrane Insertion of Calcium-Sensing Receptors Dynamically Control Signal Amplitude. Sci. Signal. 4, ra78 (2011).

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