• ホーム
  • HBXによるPP1ホスファターゼ活性の阻害:B型肝炎ウイルスの転写の活性化機構

HBXによるPP1ホスファターゼ活性の阻害:B型肝炎ウイルスの転写の活性化機構

Inhibition of PP1 Phosphatase Activity by HBx: A Mechanism for the Activation of Hepatitis B Virus Transcription

Research Article

Sci. Signal., 3 January 2012
Vol. 5, Issue 205, p. ra1
[DOI: 10.1126/scisignal.2001906]

Delphine Cougot1,2*, Eric Allemand3†, Lise Rivière1,2†‡, Shirine Benhenda1,2§, Karine Duroure1,2, Florence Levillayer1,2, Christian Muchardt3, Marie-Annick Buendia1,2, and Christine Neuveut1,2‡¶

1 Oncogenèse et Virologie Moléculaire, Institut Pasteur, 28 rue du Dr. Roux, 75724 Paris Cedex 15, France.
2 INSERM U579, 28 rue du Dr. Roux, 75015 Paris, France.
3 CNRS URA2578, Unité de Régulation Epigénétique, Avenir INSERM, Institut Pasteur, 25 rue du Dr. Roux, 75724 Paris Cedex 15, France.

* Present address: Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute, Tennis Court Road, Cambridge CB2 1QN, UK.

† These authors contributed equally to this work.

‡ Present address: Institut Pasteur, Hepacivirus et Immunité Innée, 28 rue du Dr. Roux, 75015 Paris, France.

§ Present address: INSERM U944/CNRS UMR7212, Hôpital Saint-Louis, 75010 Paris, France.

¶ To whom correspondence should be addressed. E-mail: christine.neuveut@pasteur.fr

要約:調節タンパク質であるHBXは、生体内におけるB型肝炎ウイルス(HBV)の複製、およびエピソームとして存在するHBVゲノムの転写にとって不可欠である。われわれは以前に、感染細胞において、HBxが転写因子CREB(サイクリックアデノシン一リン酸[cAMP]応答配列結合タンパク質)の標的遺伝子を活性化することについて報告した。cAMPはCREBのリン酸化と活性化を誘導する。一方、ヒストンデアセチラーゼ1(HDAC1)を介してCREBに結合するプロテインホスファターゼ1(PP1)はCREBの不活性化を促進する。われわれは、CREBがHBV DNAにリクルートされることを明らかにした。CREBがエピソームHBVゲノムに結合すると、HBxによる調節を受けない宿主の標的遺伝子のプロモーターに結合した場合に比べて、cAMPによって誘導されるリン酸化の半減期は長かった。このことは、ウイルスが自己の転写にとって有利に働く機構を発達させたことを示唆する。この機構には、PP1と相互作用してこれを阻害し、CREBリン酸化の半減期を延長させるHBxが必要であった。HBx欠損HBVゲノムの複製がPP1の発現抑制によって回復したことは、HBxが一部はPP1活性を中和することによってウイルスの転写を高めることを示唆する。HBxによるHBVの転写活性化の機構はこれまで不明であったが、われわれの結果は、HBxがPP1とHDAC1の複合体によるCREBの不活性化を妨げるという機構を実証している。

D. Cougot, E. Allemand, L. Rivière, S. Benhenda, K. Duroure, F. Levillayer, C. Muchardt, M.-A. Buendia, C. Neuveut, Inhibition of PP1 Phosphatase Activity by HBx: A Mechanism for the Activation of Hepatitis B Virus Transcription. Sci. Signal. 5, ra1 (2012).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signalingオリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2012年1月3日号

Editor's Choice

概日リズム
代謝の時間

Editorial Guides

2011:シグナル伝達の「ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー」

Research Article

HBXによるPP1ホスファターゼ活性の阻害:B型肝炎ウイルスの転写の活性化機構

真核生物の走化性経路における活性化Rasの順応は非干渉性フィードフォワード制御によって支配される

最新のResearch Article記事

2014年9月9日号

アブシジン酸の刺激による部位およびキナーゼ特異的なリン酸化を介した孔辺細胞の陰イオンチャネルSLAC1の活性化

硫化水素による内皮型一酸化窒素合成酵素のS-スルフヒドリル化、S-ニトロシル化、およびリン酸化の調整

2014年9月2日号

全身性硬化症および繊維症において酸化的DNA損傷はATMによるWnt阻害因子WIF-1の転写抑制を誘導する

TATA結合タンパク質のリン酸化がブルセイトリパノソーマ(Trypanosoma brucei)のスプライスリーダーサイレンシング経路を活性化する

2014年8月26日号

セマフォリン3AはグアノシントリホスファターゼRab5を活性化させて成長円錐の崩壊を促進し脳梁の軸索突起を形成する