• ホーム
  • PASキナーゼはRho1の活性化を介して細胞の生存と増殖を促進する

PASキナーゼはRho1の活性化を介して細胞の生存と増殖を促進する

PAS Kinase Promotes Cell Survival and Growth Through Activation of Rho1

Research Article

Sci. Signal., 31 January 2012
Vol. 5, Issue 209, p. ra9
[DOI: 10.1126/scisignal.2002435]

Caleb M. Cardon1, Thomas Beck1,2*, Michael N. Hall2, and Jared Rutter1†

1 Department of Biochemistry, University of Utah School of Medicine, Salt Lake City, UT 84112, USA.
2 Department of Biochemistry, Biozentrum, University of Basel, CH-4046 Basel, Switzerland.

* Present address: Nestlé (Nestec Ltd.), Avenue Reller 22, 1800 Vevey, Switzerland.

† To whom correspondence should be addressed. E-mail: rutter@biochem.utah.edu

要約:出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeでは、Ugp1が酵母のPASKファミリーのプロテインキナーゼ(yPASK)であるPsk1またはPsk2によりリン酸化されることによって、この代謝酵素に対して、グルコースを細胞壁合成のために細胞表層まで運搬するように指示が出される。しかし、われわれは、ラパマイシン標的2(TOR2)の温度感受性変異株の高コピーサプレッサーのスクリーニングにおいて、PSK1およびPSK2を単離した。細胞統合性ストレスまたは非発酵性炭素源上での増殖のどちらかによるyPASKの翻訳後活性化も、tor2変異による増殖不全を抑制した。yPASKキナーゼの活性化によるtor2変異株の増殖表現型の抑制には、代謝酵素Ugp1のセリン11のリン酸化が必要であったが、このリン酸化はUgp1のグルコース分配機能を必要とするのではなく、Rho1活性化を誘発する複合体が形成された。リン酸化されたUgp1に加えて、この複合体にはRho1グアニンヌクレオチド交換因子のRom2およびmRNA結合タンパク質のSsd1が含まれていた。このため、yPASK依存性Ugp1リン酸化の促進は、細胞増殖およびストレス耐性に必要な2つの過程(細胞表層へのグルコース分配を介する細胞壁の合成、およびRom2およびSsd1とのシグナル伝達複合体の形成によるRho1依存性極性細胞増殖の促進)を可能にする。この複合体は、準最適条件下での細胞の増殖と生存に必要な代謝応答とシグナル伝達応答を統合するのかもしれない。

C. M. Cardon, T. Beck, M. N. Hall, J. Rutter, PAS Kinase Promotes Cell Survival and Growth Through Activation of Rho1. Sci. Signal. 5, ra9 (2012).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signalingオリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2012年1月31日号

Editor's Choice

生理学
脂肪に割り込む

Research Article

PASキナーゼはRho1の活性化を介して細胞の生存と増殖を促進する

細胞走化性運動におけるPIP3シグナルを介したI型ミオシンによるアクチン細胞骨格の調節

最新のResearch Article記事

2014年12月23日号

抗がん剤耐性を付与する可能性のあるシグナル伝達経路の体系的同定

RASシグナル伝達はBADに媒介されるアポトーシスを抑制することによってJAK阻害薬に対する抵抗性を高める

2014年12月16日号

HSP70は核内因子κBのp65サブユニットの分解を仲介して炎症シグナル伝達を阻害する

NPR2はTORC1を阻害し窒素含有代謝産物の生合成のためのグルタミンの不適切な利用を防止する

2014年12月9日号

ニューレグリン1によって活性化されたERBB4はYAPと相互作用し、Hippo経路標的遺伝子を誘導し、細胞遊走を促進する