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細胞走化性運動におけるPIP3シグナルを介したI型ミオシンによるアクチン細胞骨格の調節
Myosin I Links PIP3 Signaling to Remodeling of the Actin Cytoskeleton in Chemotaxis
Sci. Signal., 31 January 2012
Vol. 5, Issue 209, p. ra10
[DOI: 10.1126/scisignal.2002446]
Chun-Lin Chen*, Yu Wang, Hiromi Sesaki, and Miho Iijima†
Department of Cell Biology, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD 21205, USA.
* Present address: Department of Biological Science, National Sun Yat-Sen University, 70 Lien-Hai Road, Kaohsiung, Taiwan 80424, R.O.C.
† To whom correspondence should be addressed. E-mail: miijima@jhmi.edu
要約:I型ミオシンは細胞膜と細胞骨格との間の多様な相互作用に関与する。数種のI型ミオシンは、tail homology 1(TH1)ドメインを介して、ホスファチジルセリンやホスファチジルイノシトール-4,5-ビスリン酸[PI(4,5)P2]などの酸性リン脂質に優先的に結合する。本稿でわれわれは、細胞性粘菌(Dictyostelium)のI型ミオシンのサブセット(ID、IEおよびIF)が セカンドメッセンジャーの脂質であるホスファチジルイノシトール-3,4,5-トリスリン酸(PIP3)に TH1ドメインを介して結合し、これらのI型ミオシンを細胞膜へ局在させることを明らかにした。PIP3によるI型ミオシンの細胞膜への動員は、 化学誘引物質刺激性のアクチン重合を誘導し、走化性運動を促進した。同様に、好中球の細胞株では、PIP3は走化性刺激の際にヒトミオシンIFを細胞膜に動員した。これらのデータは、PIP3シグナルがミオシンIを介してアクチン細胞骨格に伝えられる機構の存在を示唆する。
C.-L. Chen, Y. Wang, H. Sesaki, M. Iijima, Myosin I Links PIP3 Signaling to Remodeling of the Actin Cytoskeleton in Chemotaxis. Sci. Signal. 5, ra10 (2012).