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アダプタータンパク質SLP-76における相補的リン酸化部位はナチュラルキラー細胞の相乗的活性化を促進する

Complementary Phosphorylation Sites in the Adaptor Protein SLP-76 Promote Synergistic Activation of Natural Killer Cells

Research Article

Sci. Signal., 10 July 2012
Vol. 5, Issue 232, p. ra49
[DOI: 10.1126/scisignal.2002754]

Hun Sik Kim1,2,3* and Eric O. Long1*

1 Laboratory of Immunogenetics, National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health, Rockville, MD 20852, USA.
2 Department of Medicine, Graduate School, University of Ulsan, Seoul 138-736, Korea.
3 Department of Microbiology, Cellular Dysfunction Research Center and Bio-Medical Institute of Technology, University of Ulsan College of Medicine, Seoul 138-736, Korea.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: eLong@nih.gov (E.O.L.); hunkim@amc.seoul.kr (H.S.K.)

要約:ナチュラルキラー(NK)細胞の細胞傷害作用およびサイトカイン分泌能には、標的細胞に存在する異なるリガンドと結合する、CD314(NKG2Dとも呼ばれる)とCD244(2B4)など共活性化受容体の特定の対からの相乗的シグナルが必要である。これらのシグナルは、NK細胞の活性化を促進するグアニン・ヌクレオチド交換因子Vav1のE3ユビキチンリガーゼc-Cblによる阻害を克服するために必要である。本稿では、この相乗作用にはアダプタータンパク質SLP-76(76kDaのSrcホモロジー2ドメイン含有リンタンパク質)が必要であり、相乗的共活性化受容体対の各メンバーがSLP-76中の異なるチロシン残基をリン酸化することを報告する。SLP-76におけるチロシン113またはチロシン128の選択的リン酸化は、SLP-76とVav1の結合を可能にした。SLP-76におけるこれらの残基の選択的リン酸化は、リガンド依存的な標的細胞の死滅を刺激する受容体に限られており、Fc受容体CD16の抗体依存性刺激は両部位のリン酸化を促進した。ノックダウンおよびSLP-76突然変異タンパク質を用いた再構成実験の結果、Ca2+の相乗的動員における各チロシンの異なる役割が示され、NK細胞共活性化受容体によるSLP-76のリン酸化における予想外の選択度が明らかになった。これらのデータを合わせると、SLP-76における別々のチロシン残基の同時リン酸化が相乗的NK細胞活性化の基盤であると考えられる。

H. S. Kim, E. O. Long, Complementary Phosphorylation Sites in the Adaptor Protein SLP-76 Promote Synergistic Activation of Natural Killer Cells. Sci. Signal. 5, ra49 (2012).

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