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哺乳類マイクロRNAは、コードゲノムの外で、構造的および機能的複雑性に寄与する

Outside the coding genome, mammalian microRNAs confer structural and functional complexity

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Sci. Signal., 17 March 2015
Vol. 8, Issue 368, p. re2
DOI: 10.1126/scisignal.2005813

Virginie Olive1, Alex C. Minella2, and Lin He1,*

1 Department of Molecular and Cell Biology, University of California at Berkeley, Berkeley, CA 94705, USA.
2 Blood Research Institute, BloodCenter of Wisconsin, Milwaukee, WI 53226, USA.

* Corresponding author. E-mail: lhe@berkeley.edu

要約 マイクロRNA(miRNA)は、転写後遺伝子調節に主要な役割を果たす低分子の制御性非コードRNA(ncRNA)のクラスから成る。miRNAは、1993年に最初に発見されて以来、哺乳類のゲノムで多数同定されており、その多くは、発生及び疾患における様々な細胞プロセスで重要な役割を担っている。これらの低分子ncRNAは転写後に多くのタンパク質をコードする遺伝子の発現を調節するため、生理学的発生及び疾患の基礎となる分子ネットワークの複雑性は大幅に増す。このような複雑性は、一部は、異なる遺伝子構造、広範なゲノムの冗長性およびmiRNAの発現や生合成の複雑な調節から生じる。これらの特性はmiRNAの機能的頑健性および多様性に寄与しており、これらの低分子ncRNAの機能的意義を理解するための重要な手掛かりとなる。miRNAの特異的な構造及び機能は、多くの研究者を、巨大な非コードゲノムの探索および哺乳類ゲノムの機能的複雑性の分子基盤の解明へと駆り立てるであろう。

V. Olive, A. C. Minella, and L. He, Outside the coding genome, mammalian microRNAs confer structural and functional complexity. Sci. Signal. 8, re2 (2015).

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2015年3月17日号

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