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インターロイキン-36サイトカインはインターロイキン-1ファミリーシグナル伝達を阻害する微生物免疫回避機構を克服しうる

Interleukin-36 cytokines may overcome microbial immune evasion strategies that inhibit interleukin-1 family signaling

Reviews

Sci. Signal. 15 Aug 2017:
Vol. 10, Issue 492, eaan3589
DOI: 10.1126/scisignal.aan3589

Liselotte E. Jensen

Department of Microbiology and Immunology, Temple University Lewis Katz School of Medicine, Philadelphia, PA 19140, USA. Email: liselott@temple.edu

要約
病原体は、宿主内で感染を成功させるために免疫回避機構を展開する。当然、宿主は、これらの機構に対抗するための機構を獲得することにより応答する。3つのインターロイキン36(IL-36)サイトカイン、IL-36α、IL-36βおよびIL-36γが宿主免疫において重要な役割を果たすという証拠が増えつつある。微生物およびウイルスの侵入標的として皮膚に焦点を当て、IL-36の機能に関する現在の知見を概説する。さらに、病原因子に対抗するためIL-36が進化したという仮説を、ウイルスを例として提示する。IL-36は、IL-1α、IL-1β、IL-18、およびIL-33に関連している。皮膚に影響する多くのウイルスは、IL-1α、IL-1β、またはIL-18シグナル伝達またはこれらの経路の組み合わせを中和する免疫回避機構を発達させている。活性化機構および受容体利用のわずかな違いにより、これらのウイルス由来の阻害物質の存在下でもIL-36シグナル伝達が妨害されずに進行する可能性がある。したがって、IL-36の1つの生理学的機能は、微生物の免疫回避に対抗することかもしれない。

Citation: L. E. Jensen, Interleukin-36 cytokines may overcome microbial immune evasion strategies that inhibit interleukin-1 family signaling. Sci. Signal. 10, eaan3589 (2017).

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英語原文を見る

2017年8月15日号

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