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HemITAM:非常に強力な単一チロシンモチーフ

HemITAM: A single tyrosine motif that packs a punch

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Sci. Signal. 05 Dec 2017:
Vol. 10, Issue 508, eaan3676
DOI: 10.1126/scisignal.aan3676

Björn Bauer and Alexander Steinle*

Institute for Molecular Medicine, Goethe-University Frankfurt am Main, Frankfurt am Main, Germany.

* Corresponding author. Email: alexander.steinle@kgu.de

要約
自然免疫細胞は、病原体関連分子パターン(PAMP)またはストレス、感染、悪性細胞もしくは死細胞のみで露出される細胞分子を認識する、生殖細胞系にコードされる多くの受容体を介して、危険を感知している。これらの危険感知受容体の多くはC型レクチン様スーパーファミリー(CLSF)に属しているため、C型レクチン様受容体(CTLR)と呼ばれている。哺乳動物ナチュラルキラー遺伝子複合体(NKC)のサブ領域に共にクラスター化している遺伝子によりコードされる、CLEC-2、Dectin-1、DNGR-1、NKp80およびNKp65といった特定の活性化型CTLRは、ヘミ免疫受容体チロシン活性化モチーフ(hemi-immunoreceptor tyrosine-based activation motif:hemITAM)と呼ばれる単一コピーのチロシンシグナル伝達モジュールを利用している。これらのhemITAM含有CTLRは骨髄細胞および自然リンパ球に存在し、食作用、サイトカインの産生および細胞傷害性など種々の機能を刺激する。近位シグナル伝達機構には、hemITAMのチロシンリン酸化およびそれに続くキナーゼSykの活性化が関与している。hemITAMによるシグナル伝達およびSykの動員は、hemITAM内または近位の様々なアミノ酸により微調整され、これがhemITAM含有受容来における下流のシグナル伝達イベントおよびさまざまな機能的アウトカムに違いを生じさせるようである。

Citation: B. Bauer, A. Steinle, HemITAM: A single tyrosine motif that packs a punch. Sci. Signal. 10, eaan3676 (2017).

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