• ホーム
  • 中枢神経系におけるカルパイン:シナプス機能から神経毒性まで

中枢神経系におけるカルパイン:シナプス機能から神経毒性まで

REVIEWS
Calpain in the CNS: From Synaptic Function to Neurotoxicity

Reviews

Sci. Signal., 8 April 2008
[DOI: 10.1126/scisignal.114re1]

Jing Liu1*, Ming Cheng Liu2,3, and Kevin K. W. Wang1,2,3*

1Center for Neuroproteomics and Biomarkers Research, Department of Psychiatry, McKnight Brain Institute, Post Office Box 100256, University of Florida, Gainesville, FL 32610, USA.
2Center for Traumatic Brain Injury Studies, Department of Neuroscience, McKnight Brain Institute, Post Office Box 100256, University of Florida, Gainesville, FL 32610, USA.
3Center of Innovative Research, Banyan Biomarkers, Inc., 12085 Research Drive, Alachua, FL 32615, USA.
*Corresponding authors. E-mail: jingl@ufl.edu (J.L.) ; kwang@banyanbio.com (K.K.W.W.)

要約 : カルパインは、カルシウムを必要とする細胞内システインプロテアーゼの一群であり、中性pHで機能的に活性を示す。カルパインの活性化は、生理的条件下での制御された活性化(1細胞当り数個のカルパイン分子のみが活性化される)と、持続的なカルシウム過負荷を伴う病的状態下での過剰活性化(存在するすべてのカルパイン分子が活性化される)という2通りの機序で起こり得る。中枢神経系(CNS)におけるカルパインの制御された活性化は、シナプス機能と記憶形成にきわめて重要である可能性があり、基質としてはさまざまな構造および足場タンパク質、酵素、グルタミン酸受容体などが考えられる。中枢神経系におけるカルパインの過剰活性化は、通常、重度の細胞への負荷または損傷に相関している。したがって、カルパインの切断産物は、神経変性過程あるいは神経細胞損傷の存在を示す有用なバイオマーカーとなる可能性がある。

J. Liu, M. C. Liu, K. K. W. Wang, Calpain in the CNS: From Synaptic Function to Neurotoxicity. Sci. Signal. 1, re1 (2008).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

バックナンバー一覧へ