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ビタミンDステロール‐ビタミンD受容体のアンサンブルモデルがゲノム応答シグナル伝達と迅速応答シグナル伝達の両方についてのユニークな洞察を与える

The Vitamin D Sterol-Vitamin D Receptor Ensemble Model Offers Unique Insights into Both Genomic and Rapid-Response Signaling

Reviews

Sci. Signal., 16 June 2009
Vol. 2, Issue 75, p. re4
[DOI: 10.1126/scisignal.275re4]

Mathew T. Mizwicki1* and Anthony W. Norman1,2

1 Department of Biochemistry, University of California, Riverside, CA 92521, USA.
2 Division of Biomedical Sciences, University of California, Riverside, CA 92521, USA.
* Corresponding author. E-mail, mathew.mizwicki@ucr.edu

要約 : ステロイドホルモンは、幅広い生物種と標的組織で化学メッセンジャーとしてはたらき、ゲノム応答および非ゲノム応答の両方を引き起こすシグナルを伝達する。ゲノム応答は、その同族の核内ステロイドホルモン受容体(NR)とリガンド-受容体複合体を形成することによって媒介される。非ゲノム応答は、細胞膜で膜局在型NRによって媒介されることがある。このレビューでは、非ゲノムシグナル伝達およびゲノムシグナル伝達におけるビタミンDステロール(VDS)‐ビタミンD受容体(VDR)の選択的で立体特異的な調節の基盤をなす構造特性と分子機構に焦点を当てる。VDS-VDRのコンホメーションのアンサンブルモデルは、VDSが2つのVDRリガンド結合ポケット(一方は1α,25(OH)2D3(1,25D)との結合に動力学的に好適、もう一方は熱力学的に好適)との相互作用を介して、非ゲノム生物学的応答またはゲノム生物学的応答のいずれかを選択的に開始または遮断する仕組みを説明する。まず、このモデルの3つの主要な構成要素に影響を及ぼす変数として、リガンド非結合(アポ)タンパク質のコンホメーションの柔軟性、VDSの柔軟性、およびVDRゲノムポケット(VDR-GP)と代替ポケット(VDR-AP)の物理化学的選択性について詳しく説明する。そのうえで、この3つの変数を用いてVDSの細胞生物学的調節の複雑さに対する合理的な説明を考察するとともに、このモデルが現在抱えている限界について強調する。

M. T. Mizwicki, A. W. Norman, The Vitamin D Sterol-Vitamin D Receptor Ensemble Model Offers Unique Insights into Both Genomic and Rapid-Response Signaling. Sci. Signal. 2, re4 (2009).

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