グリオーマにおける発がん性EGFRシグナル伝達ネットワーク

Sci. Signal., 8 September 2009
Vol. 2, Issue 87, p. re6
[DOI: 10.1126/scisignal.287re6]

Paul H. Huang^1*, Alexander M. Xu², and Forest M. White^2,3

¹ Protein Networks Team, Section of Cell and Molecular Biology, Institute of Cancer Research, London SW3 6JB, UK.
² Department of Biological Engineering, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
³ Koch Institute for Integrative Cancer Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USA.
* Corresponding author. E-mail, paul.huang@icr.ac.uk

要約 ： 上皮増殖因子受容体（EGFR）は、グリア芽細胞腫（GBM）の発生および進行に対する主要な寄与因子である。本稿では、EGFRおよび主要な下流シグナル伝達ネットワークががん細胞の急速な増殖および浸潤拡散などのGBMの特徴にどのように寄与しているのかについて検討する。さらに、GBM患者に対する現在の治療オプションについて考察し、EGFRが化学療法抵抗性を促進する機構について詳述する。最後に、本疾患に対する安全かつ効果的な治療戦略を開発するにあたり、統合的なシステム生物学の可能性をどのように利用し得るかについて展望を述べる。