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細胞外リン酸化およびリン酸化タンパク質:単なる好奇心の対象ではない生理学的重要性

Extracellular Phosphorylation and Phosphorylated Proteins: Not Just Curiosities But Physiologically Important

Reviews

Sci. Signal., 18 December 2012
Vol. 5, Issue 255, p. re7
[DOI: 10.1126/scisignal.2003273]

Garif Yalak and Viola Vogel*

Department of Health Sciences and Technology, ETH Zurich, Wolfgang Pauli Strasse 10, HCI F443, CH-8093 Zurich, Switzerland.

* Corresponding author. E-mail: viola.vogel@hest.ethz.ch

要約:文献および正常および病変組織および体液のハイスループット質量分析データを検索すると、各種細胞外タンパク質がリン酸化されていることがわかる。十分に高濃度のアデノシン三リン酸存在下では、細胞外空間において細胞外キナーゼおよびホスファターゼ(エクトキナーゼおよびエクトホスファターゼ)が活性をもつ。血液凝固、免疫細胞活性化、ニューロンネットワーク形成など各種生理学的機能における細胞外リン酸化の役割を示す証拠がある。がん、アルツハイマー病、一部の微生物感染などの疾患ではエクトキナーゼ活性が亢進している。本稿では、細胞外局在化タンパク質キナーゼ、タンパク質ホスファターゼおよびリン酸化タンパク質の生理学的および病理学的役割を裏付ける文献を要約し、入手可能な質量分析データを解析して潜在的な細胞外リン酸化タンパク質について注釈付けする。

G. Yalak, V. Vogel, Extracellular Phosphorylation and Phosphorylated Proteins: Not Just Curiosities But Physiologically Important. Sci. Signal. 5, re7 (2012).

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2012年12月18日号

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