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電離放射線に対する細胞応答におけるトランスクリプトーム、シストローム、およびエピゲノムの並列プロファイリング

Parallel Profiling of the Transcriptome, Cistrome, and Epigenome in the Cellular Response to Ionizing Radiation

Research Resources

Sci. Signal., 13 May 2014
Vol. 7, Issue 325, p. rs3
[DOI: 10.1126/scisignal.2005032]

Sharon Rashi-Elkeles1*, Hans-Jörg Warnatz2*, Ran Elkon1*†, Ana Kupershtein1, Yuliya Chobod1, Arnon Paz1, Vyacheslav Amstislavskiy2, Marc Sultan2, Hershel Safer3, Wilfried Nietfeld2, Hans Lehrach2, Ron Shamir3, Marie-Laure Yaspo2, and Yosef Shiloh1‡

1 The David and Inez Myers Laboratory for Cancer Research, Department of Human Molecular Genetics and Biochemistry, Sackler School of Medicine, Tel Aviv University, Tel Aviv 69978, Israel.
2 Department of Vertebrate Genomics, Max Planck Institute for Molecular Genetics, Ihnestrasse 63-73, 14195 Berlin, Germany.
3 Blavatnik School of Computer Science, Tel Aviv University, Tel Aviv 69978, Israel.

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Division of Gene Regulation, The Netherlands Cancer Institute, 121 Plesmanlaan, 1066 CX Amsterdam, The Netherlands.

‡ Corresponding author. E-mail: yossih@post.tau.ac.il

要約

DNA損傷応答(DDR)は、広大なシグナル伝達ネットワークであり、電離放射線(IR)により誘導される重大な損傷であるDNA二重鎖切断によって活発に活性化される。この応答の大部分はタンパク質レベルで働くが、ネットワークの重要な構成要素は、細胞トランスクリプトームを変化させることで、多くのDDR分岐を維持する。われわれは、ディープシークエンシングを用いて、ヒト乳がん細胞のIRに対する転写応答において3つの階層を描写した。すなわち、タンパク質または長鎖非コードRNAをコードする遺伝子の発現変化、鍵となる転写因子によるゲノム結合の変化、そして、活性のあるプロモーターおよびエンハンサーのエピジェネティックなマーカーの動態である。われわれは、IRに応答する、タンパク質をコードする遺伝子とこれまで同定されていなかった非コード遺伝子を同定し、IRが誘導する転写動態の大部分は、転写因子p53および核因子κB(NF-κB)によって媒介され、キナーゼATM(ataxia-telangiectasia mutated:血管拡張性失調性変異)に主に依存することを実証した。結果として得られたデータセットは、重要な細胞ストレス応答の根底にある基本的な要素を理解するための豊かなリソースとなる。

S. Rashi-Elkeles, H.-J. Warnatz, R. Elkon, A. Kupershtein, Y. Chobod, A. Paz, V. Amstislavskiy, M. Sultan, H. Safer, W. Nietfeld, H. Lehrach, R. Shamir, M.-L. Yaspo, Y. Shiloh, Parallel Profiling of the Transcriptome, Cistrome, and Epigenome in the Cellular Response to Ionizing Radiation. Sci. Signal. 7, rs3 (2014).

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2014年5月13日号

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