• ホーム
  • 動的ホスホプロテオミクスによって酵母のヌクレオチドおよびアミノ酸生合成のTORC1に依存した調節を明らかにする

動的ホスホプロテオミクスによって酵母のヌクレオチドおよびアミノ酸生合成のTORC1に依存した調節を明らかにする

Dynamic phosphoproteomics reveals TORC1-dependent regulation of yeast nucleotide and amino acid biosynthesis

Research Resources

Sci. Signal., 28 April 2015
Vol. 8, Issue 374, p. rs4
DOI: 10.1126/scisignal.2005768

Ana Paula Oliveira1,*,†, Christina Ludwig1,†, Mattia Zampieri1, Hendrik Weisser1, Ruedi Aebersold1,2, and Uwe Sauer1,*

1 Department of Biology, Institute of Molecular Systems Biology, ETH Zurich, 8093 Zurich, Switzerland.
2 Faculty of Science, University of Zurich, 8057 Zurich, Switzerland.

* Corresponding author. E-mail: oliveira@imsb.biol.ethz.ch (A.P.O.); sauer@ethz.ch (U.S.)

† These authors contributed equally to this work.

要約 重要な細胞制御機構としてのタンパク質リン酸化の詳細がホスホプロテオミクス研究によって解明されてきているが、特定のリン酸化イベントに機能を割り当てるのは依然として大きな課題である。TORC1(target of rapamycin complex 1、ラパマイシン標的複合体1)は、栄養状態の変化をリン酸化シグナル伝達イベントに変換して細胞の成長や増殖を変化させるキナーゼ含有タンパク質複合体である。TORC1シグナル伝達に栄養的および化学的に誘導される変化に応答したリン酸化の時系列を解明するため、および出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)においてこれまで知られていなかったキナーゼと基質の関係を同定するために、われわれは、窒素源をシフトさせてラパマイシン処理を行った後に、質量分析に基づく定量的ホスホプロテオミクス解析を行った。われわれは、少なくとも2つの実験的干渉で一貫して初期に起きたリン酸化イベントから、TORC1の直接基質、あるいはTORC1のキナーゼまたはホスホフェターゼの基質のうちの1つの直接基質として、51の近位標的候補と10の既知の近位標的を同定した。これらのホスホプロテオミクスデータを動的メタボロミクスデータと相関解析することによって、われわれは、ヌクレオチド代謝に関与するAmd1、アミノ酸代謝に関与するHom3、炭水化物貯蔵を仲介するTsl1というTORC1の3つの近位標的候補を含む12の酵素の代謝活性におけるリン酸化の機能的役割を推測した。最終的に、われわれはTORC1の基質であるSch9とAtg1をそれぞれAmd1とHom3をリン酸化するキナーゼ候補として同定した。

A. P. Oliveira, C. Ludwig, M. Zampieri, H. Weisser, R. Aebersold, and U. Sauer, Dynamic phosphoproteomics reveals TORC1-dependent regulation of yeast nucleotide and amino acid biosynthesis. Sci. Signal. 8, rs4 (2015).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2015年4月28日号

Editor's Choice

がん
間質が腫瘍に薬剤耐性を盛る

Research Article

NGF-TrkAシグナル伝達の継時的プロテオミクスによって神経芽腫細胞の分化におけるE3リガーゼCbl-bの抑制的役割を同定する

Research Resources

動的ホスホプロテオミクスによって酵母のヌクレオチドおよびアミノ酸生合成のTORC1に依存した調節を明らかにする

eIF2α-ATF4シグナル伝達経路の時空間的活性化のin vivoイメージング:ストレスおよびストレス関連障害に関する洞察

Reviews

T細胞機能の制御におけるジアシルグリセロールキナーゼαおよびζの冗長的および特異的役割

最新のResearch Resources記事

2024年2月27日号

乳がん細胞のマルチオミクス・プロファイリングから、AKT分解へのストレスMAPKと関連した感受性が明らかに

2024年1月16日号

二重特異性抗体による基質とユビキチン修飾の同時認識によりユビキチン化されたRIP1およびRIP2の検出が可能に

2023年12月12日号

NRFファミリーの近接プロテオミクス解析によりNRF2の共複合リプレッサーとしてのパーキンソン病タンパク質ZNF746/PARISを解明

2023年8月1日号

細胞膜から核までの時空間Notch相互作用マップ

2023年2月28日号

直交性タンパク質間相互作用のデータ駆動型デザイン