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ビブリオ菌の細胞傷害性III型分泌装置1は宿主の遺伝子発現の配線を組み替えることによって細胞死を阻害し、細胞生存経路を活性化する

The cytotoxic type 3 secretion system 1 of Vibrio rewires host gene expression to subvert cell death and activate cell survival pathways

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Sci. Signal. 16 May 2017:
Vol. 10, Issue 479, eaal4501
DOI: 10.1126/scisignal.aal4501

Nicole J. De Nisco1, Mohammed Kanchwala2, Peng Li1, Jessie Fernandez1, Chao Xing2,3, and Kim Orth1,4,5,*

1 Department of Molecular Biology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
2 McDermott Center for Human Growth and Development, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
3 Department of Clinical Sciences, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
4 Department of Biochemistry, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.
5 Howard Hughes Medical Institute, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, TX 75390, USA.

* Corresponding author. Email: kim.orth@utsouthwestern.edu

要約
細菌性エフェクターは、宿主のシグナル伝達経路を強力に操作する。海洋細菌の腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus)は、2つのIII型分泌装置(T3SS)を介してエフェクターを宿主の細胞内に送り込む。T3SS1は、この環境でV. paraが生存するために欠かせない。一方、T3SS2は、ヒト宿主において急性胃腸炎を引き起こす。自然宿主は明らかにされていないが、T3SS1エフェクターは高度に保存された細胞過程と経路を攻撃して再編成し、非アポトーシス性細胞死を引き起こす。T3SS1エフェクターが協奏的に作用して宿主細胞のシグナル伝達全体に影響する仕組みを理解するために、われわれは、機能性T3SS1を有する(T3SS1+V. paraに感染した初代培養線維芽細胞の遺伝子発現の継時的変化を、T3SS1の欠損した(T3SS1V. paraに感染した細胞の遺伝子発現の継時的変化と比較した。全体として、T3SS1+とT3SS1のいずれのV. paraに対する宿主の転写応答も、迅速で、頑強で、時間的に動的であった。T3SS1は、398遺伝子の発現を特異的に変化させることによって宿主の遺伝子発現のつながりを再編した。T3SS1エフェクターは、宿主細胞の翻訳後段階を標的にして細胞傷害性を引き起こしたが、V. para T3SS1は、宿主の転写応答も誘発し、そうすることで最初に細胞生存を活性化し、細胞死ネットワークを抑制した。T3SS1によって仲介されるいくつかの主要な生存促進性転写物の発現増加は、感染後期に翻訳後に発現を抑制される宿主のシグナル伝達経路に依存した。まとめると、われわれの解析によって、T3SS1の、宿主の細胞シグナル伝達を転写と翻訳後の両方のマニピュレーターとしての役割との複雑な相互作用が明らかにされた。

Citation: N. J. De Nisco, M. Kanchwala, P. Li, J. Fernandez, C. Xing, K. Orth, The cytotoxic type 3 secretion system 1 of Vibrio rewires host gene expression to subvert cell death and activate cell survival pathways. Sci. Signal. 10, eaal4501 (2017).

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