• ホーム
  • in silicoでのモデリングによって、NKG2Dに媒介される未熟ヒトNK細胞の活性化におけるIL-2の相乗作用の調節因子としてCD45を同定

in silicoでのモデリングによって、NKG2Dに媒介される未熟ヒトNK細胞の活性化におけるIL-2の相乗作用の調節因子としてCD45を同定

In silico modeling identifies CD45 as a regulator of IL-2 synergy in the NKG2D-mediated activation of immature human NK cells

Research Resources

Sci. Signal. 27 Jun 2017:
Vol. 10, Issue 485, eaai9062
DOI: 10.1126/scisignal.aai9062

Sayak Mukherjee1,*,†, Helle Jensen2,*, William Stewart1,3, David Stewart4, William C. Ray1,5,6, Shih-Yu Chen7, Garry P. Nolan7, Lewis L. Lanier2,‡, and Jayajit Das1,5,6,8,‡

1 Battelle Center for Mathematical Medicine, Research Institute at the Nationwide Children's Hospital, 700 Children's Drive, Columbus, OH 43205, USA.
2 Department of Microbiology and Immunology and Parker Institute for Cancer Immunotherapy, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94143, USA.
3 Department of Statistics, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
4 Department of Mathematics, University of Iowa, Iowa City, IA 52242, USA.
5 Department of Pediatrics, The Ohio State University, Columbus, OH 43205, USA.
6 Biophysics Program, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
7 Department of Microbiology and Immunology, Stanford University, Stanford, CA 94305, USA.
8 Department of Physics, The Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.

‡ Corresponding author. Email: lewis.lanier@ucsf.edu (L.L.L.); das.70@osu.edu (J.D.)

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Institute of Bioinformatics and Applied Biotechnology, Biotech Park, Electronic City Phase I, Bangalore Karnataka 560100, India.

要約
ナチュラルキラー(NK)細胞は、ウイルス感染細胞や形質転換細胞の免疫監視を行い、その活性化は抑制受容体と活性化受容体によるシグナル伝達のバランスに依存する。サイトカイン受容体シグナル伝達は活性化受容体と協同しNK細胞の活性化を誘導する。われわれは、マスサイトメトリーの実験とin silicoでのモデリングによって、ヒト初代NK細胞の未熟(CD56bright)と成熟(CD56dim)サブセットにおいてサイトカインのインターロイキン2(IL-2)によって刺激されるシグナル伝達経路と活性化受容体NKG2Dによって刺激されるシグナル伝達経路との間の相互作用を調べた。解析によって、IL-2がNKG2DやホスファターゼCD45などのいくつかの主要なタンパク質の存在量を変化させることが明らかになった。さらに、タンパク質ごとの存在量の相関にも差異がみられ、その差異はNK細胞の成熟状態に関連した。マスサイトメトリーの測定でも、NKG2D刺激によって誘導される主要なタンパク質の存在量のシグナル伝達速度論がNK細胞の成熟状態と前処理条件に依存することが明らかになった。また、共役する複数の一次反応で多次元データを記述したin silicoのモデルによって、IL-2処理されたCD56bright NK細胞ではCD45存在量の増加がNKG2Dに媒介される活性化の主要なエンハンサーとなるが、IL-2処理されたCD56dim NK細胞ではそうならないことが予測された。このようなCD45への依存は、CD107aのNK細胞表面への動員(活性化のマーカー)の測定によって検証された。今回の数理的フレームワークは、他の活性化された免疫細胞でも、シグナル伝達経路間の相乗作用の基礎をなす機構の探索に使用可能である。

Citation: S. Mukherjee, H. Jensen, W. Stewart, D. Stewart, W. C. Ray, S.-Y. Chen, G. P. Nolan, L. L. Lanier, J. Das, In silico modeling identifies CD45 as a regulator of IL-2 synergy in the NKG2D-mediated activation of immature human NK cells. Sci. Signal. 10, eaai9062 (2017).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2017年6月27日号

Editor's Choice

昼寝は痛みを遠ざける?

Research Article

CK1αの存在量の差異がWNT依存性腫瘍を標的とする薬理学的CK1α活性化因子に選択性をもたらす

Research Resources

in silicoでのモデリングによって、NKG2Dに媒介される未熟ヒトNK細胞の活性化におけるIL-2の相乗作用の調節因子としてCD45を同定

最新のResearch Resources記事

2024年2月27日号

乳がん細胞のマルチオミクス・プロファイリングから、AKT分解へのストレスMAPKと関連した感受性が明らかに

2024年1月16日号

二重特異性抗体による基質とユビキチン修飾の同時認識によりユビキチン化されたRIP1およびRIP2の検出が可能に

2023年12月12日号

NRFファミリーの近接プロテオミクス解析によりNRF2の共複合リプレッサーとしてのパーキンソン病タンパク質ZNF746/PARISを解明

2023年8月1日号

細胞膜から核までの時空間Notch相互作用マップ

2023年2月28日号

直交性タンパク質間相互作用のデータ駆動型デザイン