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細胞内シグナル伝達研究のための有向タンパク質相互作用ネットワーク

A Directed Protein Interaction Network for Investigating Intracellular Signal Transduction

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Sci. Signal., 6 September 2011
Vol. 4, Issue 189, p. rs8
[DOI: 10.1126/scisignal.2001699]

Arunachalam Vinayagam1*†, Ulrich Stelzl1,2*‡, Raphaele Foulle1, Stephanie Plassmann1, Martina Zenkner1, Jan Timm1, Heike E. Assmus3, Miguel A. Andrade-Navarro1, and Erich E. Wanker1‡

1 AG Neuroproteomics and Computational Biology and Data Mining Group, Max Delbruck Centrum for Molecular Medicine, Robert-Rossle-Strasse 10, D-13125 Berlin-Buch, Germany.
2 Otto-Warburg Laboratory, Max Planck Institute for Molecular Genetics, Ihnestrasse 63-73, D-14195 Berlin, Germany.
3 AG Systems Biology and Bioinformatics, Department of Computer Science, University of Rostock, Ulmenstrasse 69, D-18051 Rostock, Germany.

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Genetics, Harvard Medical School, 77 Avenue Louis Pasteur, Boston, MA 02115, USA.

‡ To whom correspondence should be addressed. E-mail: stelzl@molgen.mpg.de (U.S.); erich.w@mdc-berlin.de (E.E.W.)

 

要約:細胞内シグナル伝達は、情報を伝えるタンパク質間相互作用(PPI)が関与する複雑な過程である。例えば、細胞膜からのシグナルは、転写因子に伝達されて遺伝子発現を調節することがある。細胞内シグナル伝達の全体像を把握し、さらに、可能性のあるシグナル調節因子を予測するために、われわれは自動化された酵母ツーハイブリッド相互作用接合を用いて450を超えるシグナル伝達関連タンパク質のタンパク質相互作用パートナーを探索した。得られたPPIネットワークでは、2626のPPIを介して1126のタンパク質が接続した。この相互作用マップを公的に利用できるPPIデータを用いて拡張した後に、単純ベイズ分類器を用いてタンパク質間のシグナル伝達フローに似せた有向ネットワークを構築した。膜受容体から転写因子までの最短のPPI経路に関する情報を活用して、相互作用しているタンパク質間のインプットとアウトプットの関係性について予測した。時間分解したタンパク質リン酸化データと有向PPIを統合したところ、活性化された上皮増殖因子(EGF)と細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)のシグナル伝達カスケードからの情報を、関連タンパク質に直接、さらにネットワーク内の遠方のタンパク質に動的に伝えるネットワーク構造が明らかになった。このモデルネットワークから、われわれはこれまで未知であったEGF/ERKシグナル伝達の18の調節因子を予測し、これを哺乳類細胞アッセイにおいて確認した。このような包括的な実験的、計算的なアプローチによって、シグナル伝達タンパク質間の因果関係を解明するための枠組みが得られ、シグナル伝達ネットワーク内の情報の流れを調節するタンパク質の特定が促進される。

A. Vinayagam, U. Stelzl, R. Foulle, S. Plassmann, M. Zenkner, J. Timm, H. E. Assmus, M. A. Andrade-Navarro, E. E. Wanker, A Directed Protein Interaction Network for Investigating Intracellular Signal Transduction. Sci. Signal. 4, rs8 (2011).

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