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上皮細胞分散の定量的イメージングによって細胞運動と細胞間解離の特異的阻害薬を同定する

Quantitative Imaging of Epithelial Cell Scattering Identifies Specific Inhibitors of Cell Motility and Cell-Cell Dissociation

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Sci. Signal., 3 July 2012
Vol. 5, Issue 231, p. rs5
[DOI: 10.1126/scisignal.2002677]

Dinah Loerke1*, Quint le Duc2*, Iris Blonk2, Andre Kerstens1, Emma Spanjaard2, Matthias Machacek1, Gaudenz Danuser1¶||, and Johan de Rooij1,2||

1 Department of Cell Biology, Scripps Research Institute, 10550 North Torrey Pines Road, La Jolla, CA 92037, USA.
2 Hubrecht Institute for Developmental Biology and Stem Cell Research, Uppsalalaan 8, 3584 CT Utrecht, Netherlands.

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Physics and Astronomy, University of Denver, 2112 East Wesley Avenue, Denver, CO 80208, USA.

‡ Present address: Penguin Computing Inc., 45800 Northport Loop West, Fremont, CA 94538, USA.

§ Present address: Novartis Pharma AG, Lichtstrasse 35, CH-4056 Basel, Switzerland.

Present address: Department of Cell Biology, Harvard Medical School, 240 Longwood Avenue, Boston, MA 02115, USA.

To whom correspondence should be addressed. E-mail: j.derooij@hubrecht.eu (J.d.R.); Gaudenz_Danuser@hms.harvard.edu (G.D.)

要約:培養上皮細胞が肝細胞増殖因子(HGF)に応答して起こす分散は、細胞間接着の崩壊や細胞遊走の誘導などの、in vitroでの転移細胞の挙動の重要な特徴を再現するモデル系である。われわれは、蛍光標識が不要で、生細胞における分散の3つの側面、すなわち細胞運動の亢進、細胞間接着の喪失、細胞の空間分散(分散時の細胞の再分布)を自動的に追跡して特性を決定する画像解析ツールを作製した。われわれはこれらのツールを用いて、薬物ライブラリーをスクリーニングし、分散に対する効率的な阻害薬をいくつか同定して、運動と細胞間接着喪失のどちらかに対する選択的阻害薬、または非選択的阻害薬のいずれかに分類した。互いに関連のない2つのモデル細胞株において、このスクリーニングによって得られた阻害薬と推定標的を検証した。われわれは、薬理学的処理とRNA干渉((RNAi)を用いて、非ステロイド性抗炎症薬が細胞間解離を抑制すること、インディルビン(indirubin)が細胞運動を抑制すること、サイクリン依存性キナーゼ1とリボソームS6キナーゼが、HGF誘導性の細胞分散におけるシグナル伝達中間体であることを見出した。このアッセイは、化合物またはRNAiライブラリーの大規模スクリーニングに適している。

D. Loerke, Q. le Duc, I. Blonk, A. Kerstens, E. Spanjaard, M. Machacek, G. Danuser, J. de Rooij, Quantitative Imaging of Epithelial Cell Scattering Identifies Specific Inhibitors of Cell Motility and Cell-Cell Dissociation. Sci. Signal. 5, rs5 (2012).

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英語原文を見る

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