Rhoキナーゼの活性を測定するキット ROCK 活性アッセイ

ROCK 活性アッセイキットは、放射性物質を用いずに、細胞または組織ライセート中のRhoキナーゼ（ROCK）の活性レベルを測定するキットです。

イムノブロットキットは少量サンプルで、また ELISAに類似した手法の 96ウェル活性測定キットはハイスループットなROCK活性の測定やROCK阻害剤のスクリーニングに便利です。ROCKの基質として MYPT1 を使用し、ROCKキナーゼの活性を MYPT1 リン酸化抗体によって検出します。（→ ROCK 活性アッセイの原理） 

Rhoキナーゼ  ROCK

Rhoファミリーのメンバーは、シグナル伝達経路の重要な調節因子で、アクチン細胞骨格の再編成を介して細胞運動、細胞接着、細胞質分裂を指示します。Rho は、リゾホスファチジン酸（LPA；lysophosphatidic acid）などの細胞外シグナルによって活性化されます。Rho の作用は、下流のRhoエフェクターによって媒介されます。

Rhoエフェクターの一つとして、Rhoキナーゼ（ROCK；Rho-associated kinase）があります。これまでに、二種類の ROCK アイソフォーム、ROCK-I（別名：ROKβ）および ROCK-II（Rho Kinase／ROKα）が同定されています。ROCKは、いくつかの基質のリン酸化を介して、Rhoシグナル伝達およびアクチン細胞骨格の再編成を媒介し、アクチンフィラメントの集合と収縮を誘導します。例えば、 ROCK は、MYPT1　subunit 1の Thr⁶⁹⁶ を標的として特定のミオシンホスファターゼをリン酸化することで ミオシンホスファターゼを不活性化し、結果として 20-kDa ミオシン軽鎖（MLC20）のリン酸化量が増加します。

• 非RIアッセイで安心
• イムノブロット と ELISA の2通りのフォーマットを用意
• ポジティブコントロールとして 活性型ROCK-II が付属

［96ウェル活性アッセイキット］

• ROCK基質（リコンビナントMYPT1）
  コート済みプレート
• キナーゼバッファー（10×）
• ATP試薬
• MYPT1リン酸化抗体
• 二次抗体（HRP標識）
• 活性型ROCK-II
• アッセイ希釈用試薬
• 洗浄バッファー（10×）
• 基質試薬
• 停止液

［イムノブロットキット］

• ROCK基質（リコンビナントMYPT1)
• キナーゼバッファー（10×）
• ATP試薬
• MYPT1リン酸化抗体
• 二次抗体（HRP標識）
• 活性型ROCK-II

図1. ROCK-II 活性アッセイ
（左）10μLの活性型ROCK-II を90μLの1×キナーゼ反応バッファーに加え、30℃で60分間反応させた。
（右）2.5ngの活性型ROCK-II を90μLの1×キナーゼ反応バッファーに加え、30℃で各時間反応させた。

図2. ROCK-II 活性測定イムノブロットアッセイ
MYPT1基質のリン酸化をMYPT1リン酸化（Thr⁶⁹⁶）抗体で検出した。測定は添付のプロトコールに従った。
10ng の活性型ROCK-IIを含む1×キナーゼバッファー25μL、0.2mM ATPを含む1×キナーゼバッファー50μL、リコンビナントMYPT1を30℃で30分間反応させた。キナーゼの反応を、25μLの4×SDS- PAGEサンプルバッファーを加えて停止した。各レーンに下記サンプルをロードし、SDS-PAGEを行った。MYPT1のリン酸化の検出は、 MYPT1(Thr696)抗体を用いて行った。
レーン1, 3, 5, 7：キナーゼなし（ネガティブコントロール）、
レーン2, 4, 6, 8：キナーゼ200ng, 100ng, 50ng, 25ng。

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