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研究用

「神経終末プローブ」と「クエンチャー/dye-clearing agent」を組み合わせたキット 神経終末染色キット

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Biotium(ビオチウム/BTI)社では、「神経終末プローブ」と、バックグラウンド蛍光を低減させる「クエンチャー/dye-clearing agent」を組み合わせたキットをご提供しています。

背景

■ 神経終末プローブ

神経終末プローブは、蛍光陽イオン性スチリル色素で、神経筋接合部あるいはシナプスでのシナプス性活動の解析用と して開発されました。これらの色素は、高親水性で、一方に親油性末端(2つの炭鎖)を持ち、下記の一般構造のように、もう一方の末端に荷電基を持ちます。

図1 SynaptoGreen / SynaptoRed 色素
図1 SynaptoGreen™ / SynaptoRed™ 色素
m = 0-17; n = 1-3

図1 の "m" は親油性末端の炭素数を示し、"n" は色素中の2つの芳香環に結合している二重結合の数を示しています。 これらの神経終末プローブは、従来 FM™ として知られていましたが、Biotium(ビオチウム/BTI)社では、"SynaptoGreen™ " "SynaptoRed™ " を販売しています。SynaptoGreen™ は、単一の二重結合(n=1)を持ち、SynaptoRed™ は、3つ の二重結合(n=3)を持つ色素です。これらの神経終末色素は、親油性末端の長さを決めている炭素数に伴って "SynaptoGreen™ " や "SynaptoRed™ " と呼ばれています。 さらに、SynaptoGreen™ C4 は FM1-43 と、SynaptoRed™ C2 は FM4-64 と同様の目的でご使用いただけます。

また、Biotium 社では、FM™ に関連した色素で "AM" として知られている、固定可能な神経終末プローブを開発しました。AM の正電荷を持つ頭部には、ホルムアルデヒド固定を可能にするアミノ基が結合しています。

図2 AM™  色素
図2 AM™ 色素
m = 1-17; n = 1-3

AM2-10、AM1-43、AM1-44 は SynaptoGreen™ の誘導体で、相対的に短い波長を持ちます(図3)。また、AM4-64、AM4-65 は SynaptoRed™ の誘導体で、相対的に長い波長を持ちます(図4、Renger et al. 2001)。

図3 SynaptoGreen™ C4(FM1-43)のリポソーム中での吸収および発光 AM1-43、AM1-44、AM2-10、その他の SynaptoGreen は、同様のスペクトルを示す 図4 SynaptoRed™ C2(FM4-64)のリポソーム中での吸収および発光 AM4-64、AM4-65、AM4-66、その他の SynaptoRed は、同様のスペクトルを示す

図3(左) SynaptoGreen™ C4(FM1-43)のリポソーム中での吸収および発光
AM1-43、AM1-44、AM2-10、その他の SynaptoGreen™ は、同様のスペクトルを示す

図4(右) SynaptoRed™ C2(FM4-64)のリポソーム中での吸収および発光
AM4-64、AM4-65、AM4-66、その他の SynaptoRed™ は、同様のスペクトルを示す

■ クエンチャー/dye-clearing agent

神経終末プローブを使用する場合に、洗浄後に膜に残留する色素によるバックグラウンド蛍光が問題になることがあります。膜に残留する蛍光の大部分は、繰り返し洗浄することで除去できますが、尾部が長く、二重結合を多く有する色素を、特に組織から調整したサンプルに使用する場合は除去が困難です。このバックグラウンド蛍光の低減を目的として、3種類のクエンチャー/dye-clearing agent をご提供しています。ADVASEP-7(スルホン化β-シクロデキストリン) (Kay et al. 1999) は、SynaptoGreen C4 と水溶性の包接複合体を形成するため、洗浄による除去をより効果的に行うことができます。Biotium 社独自のクエンチャーである SCAS は、洗浄を行う必要がなく、サンプルに添加するとすぐにバックグラウンド蛍光を低減します。また、Sulforhodamine 101 は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET: fluorescent resonance energy transfer)を介して、SynaptoGreen C4 のバックグラウンド蛍光を低減します (Pyle et al. 1999)。

構成内容

品番 品名 キット構成内容
70030 神経終末染色キット I
  • SynaptoGreen C4 (品番: 70022) 1 mg x 5
  • ADVASEP-7 (品番: 70029) 250 mg
70031 神経終末染色キット II (A)
  • AM1-43 (品番: 70024) 1 mg
  • ADVASEP-7 (品番: 70029) 100 mg
70031-1 神経終末染色キット II (B)
  • AM1-43 (品番: 70024) 1 mg
  • SCAS (品番: 70037) 100 mg
70032 神経終末染色キット III
  • SynaptoGreen C4 (品番: 70022) 1 mg x 5
  • Sulforhodamine 101 (品番: 80101) 100 mg
70034 神経終末染色キット V
  • SynaptoRed C2 (品番: 70027) 1 mg x 5
  • ADVASEP-7 (品番: 70029) 250 mg
70035 神経終末染色キット VI
  • SynaptoRed C2 (品番: 70027) 1 mg x 5
  • sulforhodamine 101 (品番: 80101) 100 mg
参考文献
・ Kay, A.R., et al. Neuron 24, 809 (1999) ・ Pyle, J.L., et al. Neuron 24, 803 (1999) ・ Renger, J.J., et al., Neuron 29, 469 (2001) ・ Vida, T.A. and Emr, S.D. J Cell Biol 128, 779 (1995)

神経終末染色キット

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Nerve Terminal Staining Kit I詳細データ BTI 70030 1 SET
¥135,000
Nerve Terminal Staining Kit IIA詳細データ BTI 70031 1 SET
¥72,000
Nerve Terminal Staining Kit IIB詳細データ BTI 70031-1 1 SET
¥88,000
Nerve Terminal Staining Kit III詳細データ BTI 70032 1 SET
¥113,000
Nerve Terminal Staining Kit V詳細データ BTI 70034 1 SET
¥135,000
Nerve Terminal Staining Kit VI詳細データ BTI 70035 1 SET
販売終了

【関連商品】 クエンチャー/dye-clearing agent

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
ADVASEP-7詳細データ BTI 70029 250 MG
¥67,000
SCAS詳細データ BTI 70037 100 MG
¥37,000
Sulforhodamine 101, Sulforhodamine 101詳細データ BTI 80101 500 MG
¥53,000

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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