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研究用

DNP化試薬と抗DNP抗体でピコグラム(pg)レベルの高感度検出 Picotan/Picotein® 微量タンパク質検出試薬

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メーカー名:株式会社エル・エス・エル

Picotan/Picotein® は全てのタンパク質を非特異的に pg(ピコグラム)レベルで検出する方法です。

Picotan/Picotein® の試薬類は免疫学の研究に用いられ、タンパク質に良く結合する DNP 化試薬や抗 DNP 抗体などから成り、実験開始から数時間で高感度に全てのタンパク質を検出することができます。実験を行うに際しては、BSA やタンパク質マーカー等を用いて予備実験を必ず行い、実験条件をご検討ください。

全てのタンパク質に反応する抗体はできないのか?という問いに対する一つの答えを提供できるものと思います。

使用目的

抗DNP(IgG)抗体(品番: LP-2001)は、タンパク質などの高分子物質に結合した DNP のみを認識して結合するため、Free の DNP には反応しません。Activated DNP(品番: LP-0101)で DNP 化したタンパク質に、一次抗体として抗DNP(IgG)抗体(品番: LP-2001)を、更に標識二次抗体を至適希釈率で反応させると 10〜100 pg のタンパク質を限度として全てのタンパク質を検出できます。また抗 DNP(IgG)HRP 標識抗体(品番: LP-6011)を用いると、1〜10 pg のタンパク質を限度として検出できます。

取扱上の注意

糖鎖などの付いた修飾タンパク質は単純タンパク質に比べて DNP 化され難く、検出感度が低下します。HRP 標識抗体を用いる場合はサンプルに含まれる内因性 Peroxidase 活性の確認も行ってください。親水性メンブランの中には Free の DNP を吸着して本来の反応を阻害するものがあります。原則として PVDF メンブランをご使用ください。

Activated DNP(品番: LP-0101)には酸素呼吸・電子伝達系の反応に関与する化学物質が含まれています。飲み込んだり、粘膜に付着したりしないように取り扱いには十分に注意して実験を行ってください。

Picotan/Picotein® の実用例

ウエスタンブロット及びドットブロットでのタンパク質検出の実験例をご紹介します。こちらのプロトコルを参考に実験条件をご検討ください。

  • 組換えDNA などにより生産したタンパク質の純度検定
  • 精製タンパク質、合成ペプチドなどの純度検定
  • 無血清・無ホルモン培養したコンディションメディウムの微量タンパク質の検出
  • 微量で発見が困難であった未知タンパク質の検出

A. DNP化タンパク質のウエスタンブロットによる検出例

  1. タンパク質溶液(濃度: 1 ng/mL〜1 μg/mL)10 μL と Activated DNP(品番: LP-0101)10 μL をマイクロチューブ中でピペッティングで混和し、37℃で1時間、または室温(20-25℃)で16時間以上反応させ、タンパク質を DNP 化する。
    [注1] タンパク質溶液と Activated DNP 溶液の混合比、及び反応時間等は実験条件に合わせて適宜変更ください。
  2. SDSサンプルバッファー 20 μL を加え、5分間ボイル後、電気泳動を行う。
  3. 泳動後のゲルは転写バッファーで3分間ずつ2回洗浄する。
  4. 洗浄後のゲルをセミドライ型転写装置で PVDF メンブランに転写する。
  5. 転写後のメンブランを洗浄バッファー(TBS-T)で3分間ずつ、2回洗浄する。
  6. メンブランをブロッキング溶液(5% Skim Milk in TBS-T)に室温で1時間浸す。
  7. 一次抗体として抗 DNP(IgG)抗体(品番: LP-2001)をブロッキング溶液で 2,000 倍希釈し、室温、1時間反応させる。
  8. 反応後、洗浄バッファーで3分間ずつ4回洗浄する。
  9. 二次抗体として HRP 標識抗 Rabbit IgG 抗体をブロッキング溶液で 4,000 倍に希釈し、室温、30分間反応させる。
  10. 反応後、洗浄バッファーで3分間ずつ4回洗浄する。
    [注2] 洗浄回数・抗体の希釈率・反応温度等は、実験条件に合わせて適宜変更ください。
  11. 化学発光基質(Lumi-Light PLUS: Roche Diagnostics社製)に5分間浸して検出し、ECL カメラにて撮影する(図1)。またはX線フィルムに露光し現像する。
DNP化タンパク質のウェスタンブロットによる検出法

B. ドットブロットによる微量タンパク質の検出例

通常の方法で検出できない微量タンパク濃度サンプルの測定法です。

  1. 10 μg BSA/mL、1 μg BSA/mL、0.1 μg BSA/mL およびタンパク質サンプル溶液各 10 μL を Activated DNP(品番:LP-0101)10 μL ずつとフタ付チューブの中でマイクロピペッターを用いて良く混和し、37℃、1時間静置反応させる。
    [注3] 初めて実験を行われる場合はうまく実験結果が得られない場合もあります。上記に示しましたタンパク質量よりも多くのサンプルを使用して条件検討を行うことをお勧めします。
  2. PVDF メンブランはドットブロットの事前に MeOH に浸し、さらに5分間 DW に浸しておく。
  3. 「1.」の1時間静置反応後、20% MeOH 溶液になるように「1.」に 5 μL MeOH を加え、PVDF メンブランに 2 μL ずつ2倍希釈でスポットする。この際、メンブランが完全に乾燥する前にスポットする。メンブランに水分が多いとスポットが流れてしまうことがありますのでご留意ください。
  4. スポットが完了した PVDF メンブランは完全に乾燥してから MeOH に浸し、さらに DW に浸してから検出操作に進めます。
  5. HRP 標識 抗 DNP(IgG)抗体(品番: LP-6011)を 2,000 倍希釈、室温、1時間反応させる。
  6. 化学発光基質(例 Lumi-Light PLUS: Roche Diagnostics社製)に5分間浸して検出し、ECL カメラにて撮影する(図2)。
    [注4] メンブランのブロッキングや洗浄は「A. DNP 化タンパク質のウエスタンブロットによる検出例」を参照してください。非 DNP 化タンパク質サンプルもドットブロットし、内因性の Peroxidase 活性の確認も行ってください。但し、上述の濃度範囲では活性が検出されることはありません。また、2倍希釈によるドットブロットはあくまでも参考で、通常の実験では2〜3 段階スポットで充分です。
ドットブロットによる微量タンパク質の検出法

Picotan/Picotein® 微量タンパク質検出試薬

品名 メーカー 品番 包装 希望販売価格
Activated DNP詳細データ LSL LP-0101 1 ML
販売終了
Picotan/Picotein Anti DNP-IgG (Rabbit) Unlabeled詳細データ LSL LP-2001 1 MG
販売終了
Picotan/Picotein Anti DNP-IgG (Rabbit) Horseradish Peroxidase詳細データ LSL LP-6011 0.1 MG
販売終了

商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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