低硫酸化ケラタン硫酸抗体(R-10G)は、ヒトiPS 細胞(Tic) を免疫原として作製したハイブリドーマを、ヒトiPS(hiPS)細胞陽性、ヒト胎児性がん(hEC)細胞陰性を指標としてスクリーニングしたモノクロナール抗体です。
現在、一般的に使用されている未分化能を示すマーカーはiPS 細胞、ES 細胞の未分化状態を確認するために使用されますが、EC(embryonal carcinoma) 細胞 (胎児性がん細胞) にも強く交差することが知られています。R-10G 抗体はヒトiPS 細胞、ヒトES 細胞に結合しますが、ヒトEC(embryonal carcinoma) 細胞(胎児性がん細胞) にはほとんど結合しないため、ヒトiPS 細胞、ヒトES細胞の品質管理に有用です。
また、R-10G 抗体のエピトープは硫酸化度の低いケラタン硫酸であることが明らかになっており、低硫酸化ケラタン硫酸の検出に有用です1)。
ご提供者:立命館大学 糖鎖工学研究センター 川嵜 敏祐 先生