Histone H3.1／H3.3 抗体 ヒストンH3バリアントモノクローナル抗体

ヒストンH3バリアント（Histone H3.1／H3.3）を検出するためのモノクローナル抗体を販売しております。

ヌクレオソームはH2A、H2B、H3 およびH4 の 4種のヒストンタンパク質で構成されています。また、ヒストンにはバリアントが存在し、特にヒト由来のヒストンH3 には、H3.1、H3.2、H3.3、H3t、およびCENP-A の5種類のバリアントが報告されています。主なバリアントであるH3.1、およびH3.3 は真核生物においては異なったゲノム局在パターンを示しています。Histone H3.1 は転写因子および転写補因子、DNA複製因子、DNA修復タンパク質への関与が、ヒストンH3.3 はDNA合成に依存しないデポジションパスウェイにおいて、交換バリアントとしての機能が知られております。新製品ヒストンH3.1 抗体、ヒストンH3.3 抗体は、その機能解析に有用です。
また、最近、ゲノム上の骨格筋形成にかかわる遺伝子群は、細胞が筋肉形成される以前にH3.3 タンパク質で予めマーキングされ、このマーキングが形成されることで、細胞が筋肉組織を形成する能力を獲得することが、H3.3 抗体の使用によって明らかになりました（参考文献2）。再生医療研究にも有用な本抗体を是非お試し下さい。

• « コスモ・バイオの新規抗体ブランド「CAC（CosmoBio Antibody Collection ）」一覧へ

図1　抗体の特異性をELISA法で確認
A：Histone H3.1/H3.2抗体（品番：CEC-005）、B：Histone H3.3抗体（品番：CEC-007）
H3.1 peptide 79 KTDLRFQSSAVMALQEASEA 97
H3.3 peptide 79 KTDLRFQSAAIGALQEASEA 97
C：Histone H3.1/H3.2抗体（品番：CEC-006）、D：Histone H3.3抗体（品番：CEC-008）
H3.1 peptide 21 ATKAARKSAPATGGVKKPH 39
H3.3 peptide 21 ATKAARKSAPSTGGVKKPH 39

図2　細胞の蛍光染色
上：Histone H3.1/H3.2抗体（品番：CEC-006）、下：Histone H3.3抗体（品番：CEC-008）

図3　H3.3 抗体での実験例
ES細胞、幹細胞など特定の組織に変化する能力（分化能）を持った細胞は、あらかじめH3.3 と呼ばれる特殊なヒストン（ヒストンバリアント）により、必要な遺伝子がマーキングされることが明らかになりました。
骨格筋形成時に、転写因子MyoDが骨格筋遺伝子に選択的に結合し、MyoD に結合したシャペロンであるChd2タンパク質がH3.3 をゲノムに組み込むことでマーキングしていることが発見されました。一方で、マーキング機構を失った細胞では、骨格筋の形成がなされなかったことから、骨格筋形成を事前に予測できる細胞内のメカニズムを明らかにした世界初の知見となりました（参考文献2）。

九州大学生体防御医学研究所　教授　大川 恭行 先生

関連商品

• 修飾ヒストンH3/H2B抗体

※  表示価格について