記事ID ： 12834

抗酸化物質化合物の活性を細胞内で測定するキット OxiSelect™ 細胞内抗酸化アッセイ（緑色蛍光）

メーカー名：Cell Biolabs, Inc.

OxiSelect™ 細胞内抗酸化活性アッセイキットは、外因性の抗酸化物質の活性を細胞内で測定するキットです。

DCFH-DA プローブと抗酸化物質スタンダードとしてケルセチン（Quercetin）を用いて測定します。本アッセイは、温度、pH、取り込み、代謝、細胞全体での抗酸化剤の有効性を考慮しています。本キットのケルセチン検出限界は、約 10 µM です。キットには、スタンダードカーブを含む、最大192アッセイを行うのに十分な試薬が含まれています。

Quercetin ケルセチン

図．本製品でスタンダードとして使用されるケルセチン（Quercetin）
ケルセチンは、果物や野菜に広く含まれる植物フラボノイドです。

背景

酸化ストレスと細胞内での抗酸化物質試験について

酸化ストレスの増加と相まって蓄積する活性酸素種（ROS）は、いくつかの疾患状態の発病に関与することが示唆されています。血管疾患、糖尿病、腎虚血、アテローム性動脈硬化症、肺の病理状態、炎症性疾患、およびがんにおける酸化ストレスの役割は、証明されてきています。フリーラジカルおよび他の反応種は、in vivo で絶えず生成されて生体分子の酸化的損傷を引き起こしていますが、損傷した核酸・タンパク質・脂質の交換はもちろんのこと、複数の酸化防止剤や修復システムの存在によって抑制されます。

「細胞内」において、抗酸化物質の治療効果や植物化学物質（ファイトケミカル）のスクリーニング、ROS活性の栄養モニタリングは、酸化ストレス誘導物質の抑制や治療に非常に重要です。多くの抗酸化活性アッセイがありますが、大部分のアッセイは pH、温度、抗酸化剤の生物学的利用能などの生理的条件を考慮していないため、正確な in vivo 活性を測定することができません。セルバイオラボ社では、一般的な細胞培養環境において、細胞内で抗酸化活性を測定するセルベースアッセイを取り扱っております。（→ アッセイ原理はこちら）

特長

細胞環境における外因性抗酸化化合物の活性を測定します
スタンダードカーブを含む、最大192アッセイを行うのに十分な試薬が含まれています

構成内容

96ウェル細胞培養マイクロタイタープレート（2枚）
DCFH-DA プローブ（1000X）
フリーラジカル開始剤
ケルセチン

アッセイ原理

図1．細胞内抗酸化アッセイのメカニズム

OxiSelect™ 細胞内抗酸化活性アッセイキットは、接着細胞内の抗酸化活性を測定する細胞ベースのアッセイです。

A）細胞を96ウェル蛍光測定用黒色プレート（細胞培養用）で、コンフルエントになるまで培養します。次に、細胞透過性蛍光プローブ DCFH-DA およびケルセチンまたはテストする抗酸化剤サンプルを添加し、細胞とプレインキュベーションします。（細胞内に DCFH-DA が拡散されると、細胞内エステラーゼによって非蛍光性の DCFH に脱アセチル化されます。）

B）短時間のインキュベーション後、細胞を洗浄し、フリーラジカル開始剤を添加して反応をスタートします。フリーラジカル開始剤は、DCFH を高蛍光 DCF に変換するフリーラジカルを生成します。（したがって、蛍光強度は細胞質内のROSレベルに比例します。）ケルセチンはフリーラジカル形成を阻害するため、ケルセチン濃度依存的に DCF 形成も阻害されます。

一般的なマイクロプレート蛍光光度計で、蛍光を経時的に測定します。蛍光は、ケルセチンがフリーラジカルを消去する能力と相関します。得られた抗酸化値をケルセチンと比較して、細胞内の抗酸化活性を決定することが可能です。

実験例

図2．HeLa 細胞におけるケルセチンの細胞内抗酸化活性
HeLa 細胞 60,000 個を播種し、96ウェルプレートでコンフルエントになるまで培養した。次に、細胞をDCFH-DA およびケルセチンで前処理した（37ºC、1時間）。その後、フリーラジカル開始剤を細胞に添加してアッセイを開始し、5分ごとに測定した（37ºC、1時間）。