標的遺伝子のプロモーターを特異的に活性化するCRISPR-dCas9レンチウイルス/ベクター CRISPR-dCas9遺伝子発現活性化システム

CRISPR-dCas9活性化システムとは、CRISPR-Cas9の標的遺伝子を特異的に認識するシステムを応用することで、目的の遺伝子発現を特異的かつ強力に誘導する方法です。
このCRISPR-dCas9活性化システムでは、以下の2つのエレメントを細胞内に導入する必要があります。

1. dCas9-Synergistic Activation Mediator (SAM)複合体
   DNA切断の機能を不活化したdCas9がDNAに結合し、転写活性化因子であるSAMにより遺伝子発現を誘導します。
2. CRISPR Activation sgRNA
   sgRNAが標的遺伝子特異的なプロモーター領域にdCas9-SAM複合体を誘導します。

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• dCas9-SAM-sgRNA転写活性化システムにより、目的遺伝子の転写を特異的かつ効果的に活性化
• dCas9-SAMとsgRNAのみでアッセイが可能
• 試験目的に応じてプラスミドとレンチウイルスを選択可能

CRISPR-dCas9活性化システムのワークフロー

すぐに目的遺伝子の発現を確認したい場合には非ウイルスのプラスミドトランスフェクションの系を、高い導入効率と安定性が必要な場合にはレンチウイルスの系をご利用いただけます。

図1. HEK293細胞における遺伝子発現誘導
CRISPR-dCas9遺伝子発現活性化システムを用いて、HEK293細胞のRHOXF2(A)およびMIAT(B)の遺伝子発現をそれぞれ誘導し、mRNA発現量をqPCRで測定してそれぞれWTと比較した。

dCas9はD10AおよびH840Aに変異が入っておりヌクレアーゼおよびニッカーゼ活性が完全に消失しています。そのため、sgRNAの標的特異性に依存して、DNAを切断することなくDNAの特定部位に結合することができます。 本製品のプラスミドコンストラクト上では、dCas9のC末端に三種類のsynergistic activation mediator（SAM）が続きます。
これらのdCas9-SAMは、レンチベクターかパッケージング済みのレンチウイルス粒子からお選びいただけます。

図2. pLenti-EF1a-dCas9-SAM-6xHisのベクターマップ

ヒト、マウス、ラットの各種遺伝子特異的に設計されたsgRNA発現CRISPR活性化プラスミドおよびレンチウイルス粒子です。dCas9-SAMを標的のプロモーター領域に誘導することで、ほとんどの遺伝子発現を特異的に誘導することが可能です。 これらのCRISPR sgRNAは、レンチベクターかパッケージング済のレンチウイルス粒子からお選びいただけます。

図3. pLenti-U6-sgRNA-PGK-Neoのベクターマップ

CRISPR Activation sgRNA Vector/Virusの商品検索方法

標的遺伝子のCRISPR Activation sgRNA商品の検索は、以下の手順を参考にしてください。
もし検索して見つからない場合はカスタムサービスもございますのでご相談ください。

1. Applied Biological Materials (APB) 社 WEBサイトにアクセスし、検索ウィンドウに遺伝子の名前（例：ROCK1）もしくはアクセッション番号を入力して検索してください。
2. APPLICATIONのGene Activationにチェックが付いていることを確認し、ご希望のベクターあるいはウイルスタイプ、生物種、Cas9 種別、プロモーター、マーカーを選択してください。
3. 該当商品の品番がのページの右上に表示されますので、ご利用代理店へお伝えください。

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